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経歴(続):


1894年、入営同年に勃発した日清戦争に参戦した後三年間の兵役を終え、伍長勤務上等兵として下士官適正証書を授与。
予備役に回され、暫く娑婆へ帰り実家の農業を手伝っていた。
この時、父が農作業の傍ら趣味で描いていた水墨画や書道に興味を持ち、教えを請う等している。

1904年の日露戦争開始に伴い召集がかかり、下士官最下の伍長として参戦。この間に父母が病と寿命で亡くなり、長男が家を継いだ。
本人は商売をするより体を動かす軍の方が自分に合っていると感じてそのまま軍に残り、日露戦争の戦績により軍曹へ昇進。

と或る日、自分に会いに来た妹に当時の安塚の部下が一目惚れをし、安塚を介して見合いを持ち掛けめでたくも結婚。
丁度部下が東京の連隊に異動になっていた為に妹夫婦は東京に家を構える事になった。

が、新婚間もないうちに、部下は「何か」によって殺害された。

異動先の連隊で、休暇をとった帰宅途中の夜に襲われ、翌日にはおそらく食われたのであろう、首はあらぬ方向を向き、右横腹を大きくえぐられ内臓物を無惨にぶちまけた状態で血の池の中で倒れていたという。
突然の報に驚きを隠せずにいた安塚は上官に頼み込んで急遽休暇をとり東京へ向かって葬式に出たが、遺体は包帯でぐるぐる巻きにされた上からでも明らかに分かるほど欠損した状態で、目も当てられぬ悲惨な光景だった。
剛胆な安塚も流石に動揺し、何よりそれを見て涙を必死に堪えて嗚咽する妹の様子に心を痛め、同時に彼を殺した「何か」に静かな殺意を持った。
此処で調査報告に来た陸軍特殊部隊「鬼斃隊」から話を聞いたのが、安塚が初めて鬼の存在、そしてこの部隊を知るキッカケとなった。

この時既に未亡人となった妹に仕送りをしてやる為にも金を稼ぎたいと決意していた為、地元連隊の人事掛の特務曹長から曹長への選抜の話をされた時にはこれを快諾。
同時に鬼斃隊への異動を願い出る。庶務で忙しい曹長でありながら、戦闘に参加する機会が多いのも魅力の一つだった。
一年間の呼吸法修得訓練を経て1909年、東京の陸軍特殊部隊鬼斃隊所属の曹長となり、現在に至る。

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作者名:嵩画 | 作者ホームページ:http//  
作成日時:2019年6月24日 7時

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