シエル学園と秘密のメモ帳 (ページ6)

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事件・スゴウデ執事2 ページ6

「うーん。凄腕執事とやらになるのはすごく時間がかかりそうだね。」

「そ、そんなこと言わないでよー！俺、頑張ってるんだよ？」

ロッドくんは食堂の厨房で、食器洗いをしてみせる。その際に、また1枚割ってみせたのだ。手が滑って、彼が失敗するとことを、これで私は5回以上見たことになる。

ロッドくんは皿洗いが苦手と、サラサラメモを取る。ロッドくんなりに頑張っているので、何か力を貸してあげたいんだけど。

「ねえ、ルビー先輩、何かいい方法ないですか！？」

そういわれても特にない。天性のドジ……直すのは難しい。ここはとりあえず、環境を整えよう。私は壊れたお皿をロッドくんと一緒に片付けた後で、私の部屋にあるプラスチック製のお皿を何枚か取ってきた。

「これなら割れる心配はないから」

「俺、これで練習すればいいんだね！」

これくらいしか、方法はない気がする。私はそっと、後ろから見守った。ロッドくんは最初のうち、数枚を何とか落とさずに洗ってみせる。姿勢はなかなか様になっているので、原因はそうじゃないようだ。

「俺、もしかして上手にお皿洗えてる！？」

が、調子に乗った途端に、あっさりお皿はロッドくんの手から落ちる。ロッドくんはああ、と悲しそうに眉を歪ませ、そのお皿を拾い上げた。
そんなこんなを数十分と繰り返す。何回やっても、5枚目以降、ロッドくんは手を滑らせ、失敗する。そろそろ、同じ行動をずっと見るのにも飽きてきたな。

そんな時に1人、小さな女の子が入ってきた。その女の子はロッドくんとその現場を見て、何をしているのか直ぐに理解する。

「また来ていたんですね。」

「あ！レクだ！よく会うなあ！」

「ロッドさんが今日1日、ずっとここにいるからです。」

小さな女の子はロッドくんから目を逸らし、私をみて丁寧にお辞儀をする。何となくつられて、私も少し腰を曲げた。