海賊少女は鈍感さん？ (ページ27)

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第25話ページ27

あの後、つつがなく？スウォンサマのお目通りが終了した。
初めは、そのふわふわした雰囲気に大丈夫かコイツ、と驚いたが、最後には、よろしくお願いしますと真剣な顔で言われ、この国も、スウォン様なら大丈夫そうだと、本気でそう思った。

ーそして、ついに、その日がやってきた。

あたしは踊り子の華やかな衣装に身を包み、舞に備えて天幕で控える。

貴女「…いよいよ、か。…」

あたしは柄にもなく緊張していた。だって今日、国王を殺す手伝いをするのだから。

スウォン(以下スウ)「Aさん、大丈夫です。きっと上手くいきますよ(^^)」
貴女「スウォン様…でもさ…」

国王の、弑逆なんて…やっぱり…。

スウ「大丈夫、昨日見せていただきましたけど、あなたの舞は美しかったですから。自信を持ってください」

…いやあの、そこじゃないんですけど？

はぁ、とため息をついた後、あたしはズレたスウォン様が面倒くさくて生返事をした。

ジュド「貴様、スウォン様はこれでも貴いお方なんだぞ！？いくらズレているからと言って無礼だろう！」
「ジュド将軍、それがもう失礼です！(汗)」

うーん、なんというか…和むね。

そんなやりとりをしているうちに、いつのまにかスウォン様が天幕からいなくなっていた。
あたしは気になって、天幕から抜け出し、近くにあった木によじ登った。

貴女「うん、ここならよく見渡せる。さて、と。スウォン様は確かあっちに……」

その光景を見たとき、あたしは、えっ、と思った。

あたしの視線の先にいたのは、スウォン様と。

今夜、裏切られるはずの、赤髪のお姫様。

スウォン様が、簪を贈っているところだったのだ。

…スウォン、様？

何してるの？

……あなたは、今日ー。

ヨナ姫を、裏切るんでしょう？

どうして、…そんなもの。

…あとで、辛くなるだけだよ…？

あなたも、ヨナ姫も、ソン・ハクも。

ヨナ姫の父を、国王を殺すということは、

……そういうことなのに。