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『………………は』
「好きなんや!!」
『いや聞こえなかったわけじゃねえから』
今までに見たことの無いほど真っ赤な顔をしてプルプルと震えている。こんな姿は幼なじみの和己でさえ、見たことがなかった。
「気持ち悪いとか思うかもしれんけど、僕は和己の事が好きや!大好きなんや!!」
『わ、分かった!分かったから!』
こちらも同じく赤面。大声で告白され、思考は停止。照れるなと言われる方が難しい話なのだが。
『俺の…返事は聞かなくていいのかよ』
「あっ…え、?」
『つか、そんなに好きって言われると…なんつーか、照れる』
口元を抑え、目を逸らす和己に思わず見入ってしまう坂田。もう一度元の位置に腰を下ろし尋ねた。
「なんで…?」
『なんでって…そりゃ……
お前のことが好き…やから。
言わせんな、アホ』
「和己が僕のこと、好き…?」
『そう言ってるやん!!何回言わせんねん!』
戸惑っているせいか昔のように関西弁が出ている和己を見て、相当照れているのだと思うと嬉しくてたまらなかった。
「和己〜〜!!」
『うおっ?!』
和己に抱き着き、2人の体はソファーに沈んだ。
「まじかー嬉しいな〜。両想いか〜」
『そうだよ。両想い』
「んふっ。いつから?」
『…気づいたのは最近。でも、ずっと前から好きだったんだと、思う』
「僕中学生の時」
『え、めっちゃ前じゃん』
「でも、もう叶ったから」
ふと目線が交差する。今までこんな事気にしなかったのに今更気恥ずかしくなった。
「キス…してもいい?」
『恋人なんだろ。許可とか要らねぇじゃん』
「そ、そうやな!」
目を瞑り、触れるだけの優しいキスをした。唇が離れ、瞼を開けると愛しい彼の顔。
「"ごめんなさい"、のキス」
『…ふーん』
グイッと腕を引き、抱き寄せてもう一度キスを重ねた。
「え、え?」
『俺、今は"ごめんなさい"のキスより、"好き"っていうキスが欲しくてね』
「っ〜〜〜〜!!!ずるい!」
『なんとでも言え』
もうあんな苦しい思いはしなくていい。
これからはずっと一緒。
"恋人"として。
end………?
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りうん - 文字数が足りなかったので二回目!キュンッキュンしてましたよ…!ほんまに大の大人がバタバタ暴れてましたからね…?完結(?)おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2021年5月17日 0時) (レス) id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
りうん - コメント失礼します!いい歳した奴がスマホみてニマニマしてましたよ…!?いや、まじで神でした…。視点つーか書き方がもう最高よね。口調とかつかめてるし…。sktさん受け…。夢主くんのキャラで攻め…。めちゃタイプなんすけど俺を殺しに来てます?尊死… (2021年5月17日 0時) (レス) id: 78f7faa116 (このIDを非表示/違反報告)
にぽ(プロフ) - 完結おめでとうございます (2021年5月12日 18時) (レス) id: 8283b931e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきくん(プロフ) - 完結(仮)おめでとうございますぅぅぅ! (2021年5月8日 13時) (レス) id: baaa85792d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきくん。 - 2コメ目失礼します!ァァァァsktさんの告白ゥゥゥ夢主くんがどっちになるのがドキドキしながら作品を、見てます! (2021年5月3日 22時) (レス) id: baaa85792d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつ | 作成日時:2021年4月9日 15時