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「先ほど、我輩たちは演奏を終えたが……どうにも締まらん、弛緩したパフォーマンスをしてしもうたよ」


あのお兄ちゃんが……?


「実際、我ら『UNDEAD』は昨晩につづいての二連戦で疲労が残っておる。決して、万全とは言いがたい。我輩も、こう陽が差していてはグッタリしてしまう。コンディションは、最悪じゃ。Aも、あまり陽に当たらんように」

『うん、気を付けるよ』

「薫くんも昨日、うまいこと騙して舞台にあげたのを根に持ってるようでの。今回は参加してくれんかったよ、薫くんは『UNDEAD』の二枚看板の片方じゃというのに。やる気のない薫くんが昨日、ちゃんと舞台に立ってくれたことがそもそも奇跡だったのじゃけども。我輩が日差しでダウン、薫くんは不在、という状態ではのう……『UNDEAD』のちからも、半減どころではないぞ。わんことアドニスくんが、精一杯がんばってくれたがのう。まったく真価を発揮できんまま、演奏が終わってしまった……」

『そんな……』

「悔いが残るドリフェスになってしまったのう。見よ、観客もぜんぜん盛りあがっておらんじゃろ?」

「ふむ。たしかにな、観客もさっぱりテンションあがってない感じだ。そういうシチュエーションを……『UNDEAD』が実力を発揮できない舞台を選んで、勝負を仕掛けられたわけだな。生徒会長は、そういう姑息な策も弄するのか」
「そこが武骨というか、生真面目な蓮巳くんとはちがうところじゃの。天祥院くんは天使のようにかわいい顔をして、悪魔のようにエゲツないのじゃ」


まずいな……これじゃあ……fineが勝ったも同然だ


「まったく、老人はもっと労わってほしいものじゃのう?生徒会には昨晩のドリフェスで土がついておる、手負いの百獣の王じゃ。恐ろしいぞ、油断してかかってよい相手では断じてない。なのに、わんこのやつめ……何も考えずに舞台にあがりよって、これでは良い晒しものじゃ。否、天祥院くんに『そういう意図』があるのじゃろうの」

『晃牙先輩には少し痛い目見てもらおうか?』

「まてまて……早まるでない」

『……お兄ちゃんがいうなら……』

「昨晩、我輩たち『UNDEAD』はおぬしら『Trickstar』に協力した。それゆえに、裁かれるわけじゃ。生徒会に敵対した反逆者、罪人として、『皇帝』によって処刑される。このドリフェス『B1』は見せしめの、いわば公開処刑じゃ。我輩たちは、まんまと断頭台に乗せられてしまった」

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作者名:ポン酢 | 作成日時:2021年2月17日 22時

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