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『あ』

「あ」

「お、おはようございます」

『おはよう、創、友也』

「おはよ……」


昨日の今日じゃ無理もないよねぇ


『大丈夫、ちゃんと前向いて……進んで♪』


2人の背中を押す


「Aちゃん……?」


創が何か言おうとしていたがその前に私はさっさと席に座り寝る
今日こそあんず先輩に会うんだ
それに色々やらなきゃいけないことがある









放課後になった瞬間荷物を纏めて教室を出る
登校してからこんなに早く動いたの初めてだと思う
私なりに調べた所によると今週からあんず先輩が関わってるユニット『Trickstar』がユニット練習するらしい
防音練習室は零お兄ちゃんが借りたみたいだけど


『忙しくなりそう……♪』


日中活動出来ない分限られてる時間は少ない
零お兄ちゃんは沢山の人と協力して動いてるみたいだから負担は軽減されてるはず
でも、私は1人で行動してる
零お兄ちゃんに言われて動いてるわけじゃないから。私個人として
失敗は許されない
誰にも悟られる事なくやらなきゃいけない
あんず先輩の居場所はわかってるから先に情報操作をしてしまおう


『あれは、あんず先輩?』


ふと、外を見るとガーデンテラスへ向かってるあんず先輩の姿が見えた
きっとTrickstarへの差し入れを作りに行ったんだろう


『あんず先輩の手作り……』


食べたい


『だめだめだめ!まだ終わってないんだから!!』


一段落したらガーデンテラスに行こう
あんず先輩の手作り食べたい









『よし!!片付いた!!!』


バタバタと後片付けをしてガーデンテラスへ急ぐ


『あんず先輩の手作り♪手作り♪』


楽しみだなぁ……!


『おっじゃましま〜す♪』


……あれ?あんず先輩がいない


「……A!?」

「え!?女の子もう1人居るの!?」

『真緒君……と……』


ガーデンテラスに居たのは凛月お兄ちゃんの幼馴染真緒君と金髪の人がいた


「わー!君もすっごく可愛い!そのネクタイの色は1年生?」

『はい!プロデュース科1年の朔間Aです!あの、先輩は……?』

「朔間……?え、朔間って言った?」

『え、はい』

「あ、ごめんね?俺は3年の羽風薫、よろしくね♪」

『よろしくお願いします!薫先輩!』

「うわぁ……!ねぇねぇ、この後デートしない?おすすめのカフェがあるんだけどね?」


近い近い近い
薫先輩は喋りながら距離を縮めて手を握ってきた


「薫くん」

『!』


零お兄ちゃん……!

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作者名:ポン酢 | 作成日時:2021年2月17日 22時

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