23 ページ23
「ついに明日が、『S1』本番だ。みんな不安もあるだろう、俺たちの運命の分かれ道が間近に迫っているのだからな。だが今晩だけは、自宅に戻ってゆっくり休んでくれ。アイドルは身体が資本だ。とくに衣更と遊木、それに転校生、Aはこの一週間……無理を重ねたようだからな」
バレてる〜、参ったな
「当日、本番中にぶっ倒れられても困る。縄でくくってでも家のベッドで寝てもらうから、そのつもりでいてほしい」
「わかってるよ。この一週間で、打てるだけの手は打った。やれるかぎりの練習はした。これで通じなければそれはもう、『そういう運命』だったってことだ。諦めはつく。ううん、何もかもやり尽くしたって達成感があるよ。不安もない。あとは実際に、俺たちの努力の成果を舞台で披露するだけだ。がんばろうな、みんな」
「うん。僕はまだちょっと、ブルッてるけど……。今さら、泣き言を漏らしても仕方ないよね。僕たちは生徒会と戦う、そして勝利する。ずっとそのために、この日のために血と汗と涙を流してきたんだ。絶対に、それを無駄にはしないよ。がんばろう。僕たちが、この夢ノ咲学院を変えるんだ」
「あんまり気負いすぎんなよ〜、今から緊張しても疲れるだけだよ。リラックスするために、ホッケ〜が習得したという漫才を見せてもらおう☆はいホッケ〜、どうぞ！わくわくっ♪」
「『どうぞ』と言われても困る。漫才はやらん。面白すぎて思い出し笑いをして、おまえらが今晩、眠れなくなってしまう可能性が高い」
「あはは。何それ面白いっ、ホッケ〜の冗談は冴え渡ってるね☆」
「冗談ではない。ともあれ明日に備えて、結束を高めるため何かしておくのも悪くないな。円陣を組もう、みんな。明星。衣更。遊木。転校生。Aも、こい」
北斗先輩に呼ばれて皆と円陣を組む
「明日は、必ず勝つぞ」
「当然！そのために努力してきたんだしね〜☆」
「がんばろうね、生徒会に一泡吹かせてやろう！」
「やっぱワクワクすんな〜。久しぶりのライブだし、俺はふつうに楽しんじゃう予定っ♪」
『体力が持つ限り全力でサポートします！』
「転校生とAが手ずからつくってくれているという、俺たちの専用衣装も明日には完成するらしいしな」
「うん、間に合わせるね」
「それを、心待ちにしつつ……。今日は安らかに寝床に入り、幸せな夢を見よう」
「俺たちの夢は無限大だ！絶対勝つぞ〜、えいえいおうっ☆」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
