【あんスタ】朔間兄弟の妹を縛ることは出来ない (ページ3)

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『あちゃ～、またやっちゃった』

教室中に香るむせ返るような血の匂い

『おーい、大丈夫？』

「へ、平気……だよ」

『そっかー！よかった！！ごめんね？あまりにも美味しくてつい吸いすぎちゃった！許してくれる？』

「朔間さんにならいくらでもあげるよ！！」
『じゃあ、またよろしくね？もう遅いし気をつけて帰ってね～！』

「う、うん！また……！！」

そう言ってさっきまで血を吸われてた子は嬉しそうに教室を出ていった

『あ～、美味しかったなぁ』

今日は満月。一番喉が乾いて抑制が効かなくなる日

『満月の夜は興奮してだめだね』

月の光にあてられて赤い目がギラギラと光る

『ただいま～！』

「A」

「A、話がある」

家に帰ると兄2人が玄関で待ち構えていた

『お兄ちゃん達が揃ってるなんて珍しいね？』

凛月お兄ちゃんは顔歪ませてるけど

『話って？』

「また、血吸ったのか？」

『あれ？匂う？先にお風呂入ってこようか？』

「いや、そのままでいい。リビングで話そう」

『わかった～』

零お兄ちゃんなんか変

いつもはもっと荒い口調なのに

『で？話って？』

「血吸うの辞めてもらおうとおもって」

『へ？』

一瞬凛月お兄ちゃんが何言ってるのか理解出来なかった

『何言ってんの？零お兄ちゃんが言うならまぁ分からなくもないけど凛月お兄ちゃんが言っちゃうの？それ？』

「俺は誰彼構わず見境なく血吸わないし」

『え～、何それ』

「今はいいかもしれねぇけど……お前、復讐されるぞ」

『…………そこまで馬鹿じゃないよ私？』

復讐なんて絶対されない。下調べは完璧だもん

『なんなの？いきなり……いままで放っておいたくせに～』

私はお兄ちゃん達が大好きなのにそれを突っぱねたはそっちじゃん

「それは悪いと思ってる」

「…………」

『まぁ、いいや。で？私に血を吸うのを辞めさせることなんて出来ないでしょ？私が一番吸血鬼に近いんだから』

「A、志望校を変えろ」

『え？いやいやいやいや、受験まで何ヶ月あると思ってんの！？』

「Aの体質を治すには俺と同じ高校に通うしか手がないわけ。俺かムカつくけど兄者もいるし」

「凛月……！」

「うっざ……」

同じ高校って……

『夢ノ咲学院？でも、お兄ちゃん達アイドル科でしょ？確かアイドル科は校舎違うし』

「来年そのアイドル科と同じ校舎にプロデュース科が出来る」