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175話 黒いしみ ページ48

・・・私の上の部屋、入居した時は空いていたはずだけど。

なんだか最近、生活音がする気がする。


大家さんに聞いてみようか。

右にも上にも下にも人がいない。右隣しか人がいなくて安全そうだからここにしたんだけど。


また足音がした。それと、何かを壁に投げつけている・・・?

何をやっているのだろうか。




大家さんに聞いたら、上の部屋には誰も住んでいないらしい。

え?事故物件?


もしかしてこの血のようにも見える黒っぽいしみは、本当に血なのだろうか。

ここで殺人事件でもあった?被害者はこの壁に頭でも叩きつけられて死んだとか・・・。


ま、さすがにもっと掃除されてるはずか。壁紙も張り替えるだろうし。


上の階、大家さんから借りたマスターキーで入ってみますか。


ノックしてから鍵を開け、誰か住んでいるかどうか確認する。


入った瞬間、甘ったるいにおいがした。これ、あんこ?

え?お供え物?


床を見ると、あんパンの袋がたくさん転がっていた。足の踏み場がないほどに。

あんパンってまるで山崎みたいな。


山「理亜・・・ちゃん?」
『うわ!!幽霊!!』


山「なんでここに!」
『えっ嘘山崎!?なんでここに』


山崎がいるからこんなにあんパンが大量にあったのか。


『びっくりしたぁ・・・何しに来たの?仕事?』
山「え、えっと・・・うん仕事ダヨ」

『監察だよね。誰を見張りに来たの?すっごい偶然』
山「そうだね。すっごい偶然」


挙動不審ってかんじだなー


『私の部屋にもなんかあんこをぶつけたみたいなあとがいっぱいあってね、山崎前もこのアパート来た?』
山「ど、どうだろう。いろんなところ言ってるから覚えてないな・・・」


『あとね、山崎の影が薄すぎたせいか、大家さんに忘れられてたよ?幽霊がいるのかもしれないって言ったら確かめてくれば?って言われて鍵貸してくれた』

山「あれ、なんだか涙が・・・」

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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時

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