169話 ばいばいしたのに ページ42
山崎視点
結局俺は、理亜ちゃんの一つ上の階に住みこむことにした。
いや女の子の生活をのぞき見するなんて犯罪者みたいで気分が悪い。
どうか理亜ちゃんが俺の存在に気づきませんように。
理亜視点
ぐぅ・・・とお腹が鳴る。
今日のところは一回切り上げてご飯でも食べに行けと私のお腹が言っている。
お腹すいた。
一日中監視カメラの映像を眺めるのつらい。山崎がおかしくなるのも頷ける気がする。
あのアンパン日記おもしろかったな。
ノート一面にあんパンって書かれてて。こっちまでノイローゼになりそうだよ。
あんなの書いてて、ゲシュタルト崩壊起こさないのかな。起こさないのか、書きすぎてもう慣れて。
大変なんだなぁ。監察っていう仕事は。私も大変なほうだとは思ってたけど監察方には負けるかな。
だってほぼ二十四時間体制じゃない?さらに山崎に関しては土方とか沖田から使いっパシられてたし。
苦労している人を挙げればきりがない。
そうやって成り立っていたのだ。
まあいいや、定食屋さん行こ。
ここらへんだと最近行ってる定食屋さんが一番安くておいしいんだよね。
割と何でもあるし。売りっていうか看板メニューは丼ものらしい。
丼ものおいしいんだよね。
私は焼き鳥丼が好き。あの筋っぽいっていうかさっぱりした感じが好き。
『すみませんひとりです』
店主「あいよっ!おっ嬢ちゃん今日も来てくれたのかい?うれしいねぇ」
『ここの焼き鳥丼がおいしいからですよ』
店主「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。ちょっと待ってな」
ふんふふ〜ん。そう言えば私いつからここにきてるんだっけ。
確か去年か一昨年の秋くらいに、土方か誰かに穴場だって言われて・・・・・・あ。
「すみません一名です」
店主「土方さん。いつもので?」
土「ああ」
・・・・・・どうか気づきませんように。
土「あ、理亜」
『こ、こんにちは〜』
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時