156話 よくぞご無事で・・・あれ? ページ29
松ちゃん砲が大きな騒音を立て始めた。
銀「あれ、何この音?」
旦那がそうつぶやいた瞬間に、松ちゃん砲の閃光はすぐ目の前まで来ていた。
耳をつんざくような轟音。真っ暗になる視界。
爆発に巻き込まれるってこんな感じなんだ〜なんて他人事みたいに思いながら、おそらく煙であるものを見ていた。
ちょっと時間が経って、体感的には一分くらい、実際は数秒で煙が晴れた。
そして、私たちを砲撃から守るように立っていた人がいた。
何と傘一本で松ちゃん砲を防いだのだ。
新「ぼ、坊主さん!!」
『海坊主さん?』
海「フー・・・俺も焼きが回ったようだ」
銀「いや、髪の毛も焼きが回ってるけど」
確かに海坊主さんの髪の毛はチリヂリになってるけど。
海「他人を守って、くたばるなんざ・・・」
そこまで言って、坊主さんは倒れてしまった。
銀「お、おい!!」
『え!?生きてますか!!』
新「ハ、じゃない坊主さん!坊主さんしっかり!!」
銀「おいハゲ、右側だけ、ハァゲェェ!!」
すごいハゲって言われてる。
『神楽ちゃん、目覚めた?』
神「うん。なんとか」
『よかったぁ・・・心配したんだよ?』
神「ごめん・・・でもお前も心配されまくってるヨ。今に税金泥棒共が駆け上がってくるアル」
『あーーーーーーーー逃げていいかな』
神「ごめんヨ。ありがとナ、理亜」
『いーえー。友達だもん。海坊主さんのところへは行かなくていいの?髪毟ってたけど』
神「後でちゃんと行くアル。じゃあな理亜」
『ばいばーい』
神楽ちゃんあっさりとしてるなぁ・・・。でもそこが神楽ちゃんのいいところだよね。
神楽ちゃん無事でよかった・・・あれ?
そういえばあんまりにも普通に動いて話してたから忘れてたけど、神楽ちゃんお腹ケガしてたよね。
それも結構深く。
『待って神楽ちゃん!!はいこれ塗り薬。朝と夜二回塗ってね!足りなくなったら屯所に来てくれればあげるから!!』
神「おう・・・ありがとナ」
『今度こそ、ばいばい』
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時