152話 核 ページ25
『うわ〜息ぴったり』
亀裂恩やら破裂音やら、エイリアンの動くねちょねちょとした嫌な音やらでうるさい中、あの二人はほぼ同時にエイリアンの攻撃をしかけた。
船の底が壊れてエイリアンの核が姿を現す。
いや怪力すぎる。もともとこの船が限界だったとはいえたった二人で宇宙船を破壊した。
海「核だ・・・こんなでかいのは初めて見るが、エネルギーを過度に吸収し肥大化し、船底を破っちまったようだ」
『あ、二人がやったんじゃないんですね』
海「あれを潰せばこいつらを止められる」
『じゃあさっさと薬をばらまいて・・・』
海「あれは・・・神楽ァ!!」
『神楽ちゃん!?』
よく目を凝らすと、エイリアンの核に今にも飲み込まれそうな神楽ちゃんが。
勢いで核に向かって飛び出して、(これは私死ぬんじゃないだろうかという高さから)何とか着地する。
旦那は転んでた。
神楽ちゃんが飲み込まれた場所を見ると、もう完全に飲み込まれてしまったようで神楽ちゃんは見えなかった。
銀「どうすんだ。吞まれちまったぜ」
海「ヤ、ヤバイ。このままじゃこいつを仕留めることはできねェ。こいつを殺れば、神楽も死ぬ」
さっき幕府の軍艦が来ていた。つまりもう時間的猶予は全くない。
しかもこいつは吸収速度が異様に早かった。消化能力も高いに違いない。
『私の薬使ってもダメですか?』
海「分からない。嬢ちゃんの薬は人に害がある物なのか?」
『理論上はありませんが、一度エイリアンに取り込まれるという工程を辿ることで毒に変化するという可能性も』
海「ならダメだ。神楽を危険にはさらせない」
それはそうだ。
末端の触手に毒を入れるのと、核にいれるのでは訳が違う。
ならどうしよう。
松「聞けーや!ターミナル周辺にとどまっている民間人に次ぐ!直ちにターミナルから離れなさい、今からエイリアンに一斉放射を仕掛ける!!」
銀「なっ」
やっぱり来たか。松平さん。
『まずいです。あの人本当に、ターミナルごとエイリアンを消しかねませんよ!』
海「何ィ!?そうなったら神楽は・・・」
『その前に何とかしないと・・・』
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時