151話 二本の腕 ページ24
『うわっまた来た!!これキリないよ、どうする?』
銀「知るか!とにかく目の前の敵に集中しろ」
そろそろキャンディの数が三分の一ほど減ってしまったのですけど
海「嬢ちゃん、その薬どこで手に入れた!?対エイリアン薬なんてこれまで存在しなかったんだぞ!!」
『自作ですよ!じ・さ・く!』
海「何ィ!?え?君神楽ちゃんのお友達?神楽ちゃんもこんなのができるようになっちゃったり・・・」
『しないと思います』
海「でももしかしたら・・・」
『まあ、もしかしたら』
未来は誰にも分らないし
と、その時遠くの方(と言ってもはっきり見える)に大きな戦艦が見えた。
あの軍艦幕府のだ。幕府の軍艦を動かせるのは松平さん。
あの軍艦松平さんが乗ってるのか。
ヤバいな塵の一つも残らないよ。
海「おうおう。今更うるさいのがぶんぶんたかって来たぜ。もうだいぶ片付いたんじゃないの?」
『そのうるさいのが通った後は、チリの一つも残らないんですよ!!』
海「嬢ちゃん、いくらその薬があるからって無茶はしちゃいけねェ。帰れ死ぬぞ?」
『いったいどこから帰ればいいんですか?全部危険地帯ですけど。あ、定春君そっち危ない』
海「そうか。
お前はなんなんだ?神楽を突き放しておきながら、なぜここにいる。なぜここへ来た?」
銀「そんなん俺が聞きてーよ。なんでこんなところへ来ちまったかな、俺は」
人を巻き込んでおきながらなんだその言い草は。
銀「安心しな!あんなうるせーガキ、連れ戻そうって腹はねェ。死ぬつもりもねェ。ただ、あいつを死なせるつもりもねェ」
その言葉を聞いた海坊主さんは満足げに笑った。
海「面白れぇ。おもしれえよお前。神楽が気に入ったのも分かった気がする。だが腕一本で何ができる?」
銀「あんたも一本だろうが」
そう、旦那は腕ケガしてるのだ。多分結構深く。怪我したところ見てないから断定はできないけど、筋肉ほぼ断絶してるんじゃないかな。
だって動いてないし。
そしてさらに海坊主さん。もともと義手だったらしいけどその義手も根元からごっそり。
義手を通っていた電気が行く場所を失ってバチバチと音を立てている。
銀・海「そう、二人合わせりゃ二本だ!!」
いや二人三脚みたいに言わないでよ。しかも二人三脚より一本少ないし。
当たり前だけど同じ数でないといけないはずの脚の半分の本数しかないんだよ。絶対無理でしょ。
状況が絶望的すぎる。神楽ちゃんも飲み込まれちゃったし。
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時