150話 エイリアン内部 ページ23
結野アナの「危ないですよちょっと!!」という叫びを正面から受け止めながら、旦那と背中合わせで定春君に乗る。
なぜこの体制なのかというと、「えー?」と言ったときにすでに乗せられていたから。
正直落ちそうで怖い。
銀「でんやァァ!!」
謎の雄たけびを上げながらエイリアンに飛び込む旦那。
これはもう食べられて消化される未来しか見えない。だって人って皮膚はいだらすぐ血管あるもん。
さっきのスピードで消化されるに決まってる。
なんかもう結構遠くの方で復活したらしい近藤さんの「野郎、死ぬ気かっ!?」を聞き取れるか聞き取れないかくらいのタイミングで、視界が一気に暗くなる。
銀「行っくぜー!!!・・・あり?」バクッ
予想通りぱっくり食べられたのだ。これは私達より定春君の方が危ないのではないだろうかと思いながら、キャンディの棒を折る。
実は何本か元々折れやすくしてて、そこで折ると斜めに折れる。イメージは注射の針。
『定春君、全速力で進んでくれない?後でおやつ買ってあげるからさ』
定「ワンッ」
定春君が進んでいくので、私はエイリアンの内部にこの針を突き立てる。
そうすると、毒が素早くエイリアンの内部へ吸収されてエイリアンが崩れていく。
そして定春君のおかげでどんどん中心部へ近づくので、どんどんダメージが大きくなるというわけだ。
『旦那かっこ悪―い』
銀「うるせェ!!」
そんな短い会話の後、一気に明るいところへ出た。しかも体感的にめっちゃ高そう。
反射で目を瞑ってしまう。
銀「神楽ァアア!!」
『えっ!』
神楽ちゃん?と思い目を開けるとエイリアンに捕まっている神楽ちゃんが。
がっちり胴体にエイリアンの触手っぽいものが。
心の奥から燃えてくる怒りを抑え、飛び出した旦那の足を押す。
銀「このヤローそいつを離せ!!小便かけんぞ!甘―い小便掛けんぞ!!」
『汚ッ』
私も向こう行きたいけど、定春君と一緒にエイリアンの相手をする。だって襲ってきたんだからしょうがないじゃん。
『ほら〜美味しいよ〜ぜ〜んぜん怪しくないよ〜』
どんどんエイリアンの口(?)にキャンディを放り込む。
辺りに砂ぼこりが起きる。まるで砂漠の砂嵐。
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時