142話 サンタの正体 ページ15
『クリスマスプレゼント、本当にありがとう。すっごく嬉しかったです』
何だろうこれ。どうして小学校の誕生日会で物貰った生徒みたいになってるんだろう私。
まいっか。クリスマスと誕生日に今は大きな違いないし。元はキリスト教の生誕祭何だっけ。
じゃあ本当に誕生日か。
『クリスマスのサンタが思っていたより十倍くらい多くいたことが、今年のクリスマス一番の驚きです』
こんなに大勢いるのに、会場が一気にシーンとする。会場と言っても皆が二日酔いに苦しみながら朝ごはんを食べている食堂だけど。
隊「そ、そうだね。俺たちサンタに頼まれてやってたんだよ!な!?」
隊「そうだよな」
なんか・・・嘘っぽい?
沖「バカだ!!本当はな、サンタなんて 土「総悟ォ!ちょっと黙れいるぞ。サンタは本当にいるぞ」いや必死すぎやせん?」
『本当だすごく必死だ。土方知ってる?世の中にはね、サンタ免許って言うのがあるんだよ。
それにお姉ちゃんがサンタいるって言ってた。いないって言うのは嘘なんだよって』
それに何となく同意してくれる皆。目が泳いでたり逆に据わってたり。
目を見ればそれが嘘か本当か分かるというけれど、本当なんだなと改めて実感した。
これは嘘である。
では何に対する嘘か。この流れでそれが分らないほど馬鹿ではない。
『サンタさんって、本当はいないの?会社もないの?』
ここで見たいのは、回答じゃなくてみんなの顔色。
どんな顔で、どんな目で、どこに視線を送っているのか。
視線をそらして、壁やほかの人の顔とかを見ていたら嘘だし、困った顔も嘘をつこうとしているように見える。
そして、私の視界に映る人は全員そういう顔をしているのだ。
つまり嘘・・・?
うーん・・・今年はみんながサンタの代わりをしてくれてた。それはとっても嬉しい。
よくよく考えたら合理的じゃないような気も・・・まいっか。
『神楽ちゃんと遊んでくる。約束はしてないけど』
神楽ちゃん空いてるかな。よく考えたらクリスマスだし、何か予定あるかも。
聞くだけ聞いてみよう。
『神楽ちゃーん!!あそぼー!!?』
神「ん・・・理亜アルか?今日何にも予定ないアル!!遊ぼう!」
『どっか行く?』
神「おいしいものを腹いっぱい食るアル。銀ちゃーん!!お小遣いプリーズ!!」
銀「うちにそんな金があるわけねェだろ!!頭おかしいのか!!」
この人は本当に大人なのだろうか。
神楽ちゃん、本当に悪質な環境で働いてるんだ
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時