128話 労働基準法 ページ1
アナウンサー「今年度から、労働基準法が新しくなります。具体的には・・・」
労働基準法・・・
そうだ、そんな素晴らしい制度があるのだ。
一日八時間、週に四十時間以上働かせてはいけない。
六時間を超えるなら四十五分、八時間なら一時間の休憩を、それぞれ与えなければならない。
それ以上働けば時間外労働として、企業側(上司たち)は25%上乗せして給料を払わなければならない。
こんなに素晴らしい法律があるのだ。警察は守って当然でしょう。
あ、でも・・・
土「始末書・・・今週中?徹夜するしかないな」
『また呼び出された。何があったの?今深夜二時なのに・・・』
こんな日々を送っているのだ。労働基準法は全く適用されていない。
まあ医療業界はブラックで成り立ってるからなぁ。
私の友達もみんなブラックに働いてるらしいし。
私よりは給料いいらしいけど。
あ、そうだ。副業認めてもらおう。
そうしよう
『あ、いたいた。近藤さーん!!』
近「どうした?理亜ちゃん」
『副業認めて!!』
近「副業?なんで?」
ここの給料が低いから!!
『だからね、今すぐ給料を全額支払えないなら副業を認めて。というか、私の給料時給換算したら最低賃金切ってるんだけど』
近「理亜ちゃんって、一日大体どれくらい・・・」
『暇なときは一時間くらいだけど、忙しいときは二十三時間くらいかな。一時間を細切れに睡眠に費やして、あとは仕事。
処置に追われて、書類に囲まれて・・・子供とは思えない環境だけど給料が満額出ないから』
近「そ、そんなに」
『近藤さんがストーカーしているときも働いてたり』
近「すみません」
『だから認めて?副業。今まではお小遣い稼ぎと称して松平さんから仕事受けてたけど。
これからは自分でうけたい。ぶっちゃけ副業の方が割に合ってる』
松平さん多分かなり値切ってるんだよね。私の成果。
それでもここでもらえる給料よりは割が良い。
本当はここで完結させたいんだけど、できないんなら仕方がない。
ならば、自分で環境を改善、もしくは導くしかない。
『ね?近藤さん、お願い。稼ぎたいの!!』
近「なんでそんなにお金が欲しいの?」
『本当はね、どっかのタイミングで二人一緒に辞めて、どっか遠くに旅行したいねって話してたの。そのためにお金、ずっと貯めてたんだ。
でも、そのお姉ちゃんはもういないからさ、目標金額までお金をためて気を紛らわそうかと』
ちゃんと紛れるかはわからないけど。
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作者名:すわり | 作成日時:2022年11月13日 18時