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授業終わりに、嫌な事が聞こえた。
「では日直は、スタートの人をじゃんけんで決めたいと思いまーす」
「えー……」
「あれ、もしかして、じゃんけん弱い?」
「うん…」
「ハハ、どんまーい」
「ひっどいなぁ」
「番号でグループを作って、まずその中でじゃんけんしてー」
私は10番。てことは隣の奴は9番。
生憎、このクラスは27人なので、かどうかは知らないけど、
「1グループ9人ねー」
いやいや、4、5人なら分かるけど、9人って多すぎない?
だからアイツとは離れてしまった。
しかも私のグループは即行で負けが決まってしまった。
案の定、私の一人負け。
少なくとも、私のじゃんけん運の無さは、このメンバーに知らしめる事は出来ただろうな(笑)
「はい、じゃあ負けた人はこっち来てー」
渋々行くと、
「あれ」
「……」
散々私の事を『弱いの?弱いの?』と言ってた奴がいた。
「あれ〜負けちゃったんだ〜」
「う、うるさいぃ」
「しーらなーい」
なんだ、コイツも弱いんじゃん。
コイツが負けた所で次は私だからいいんだけど、
もし私が負けたらアイツは一番最後という事になる。
だから、何がなんでもアイツには負けたくない。
「じゃあ行くよ〜……最初はグー!」
「「「じゃんけんポン!!」」」
「あ…」
「くふっ……」
う、嘘でしょ
「負けちゃったね」
「うん、負けちゃったね」
「仕方ないね」
「うん、仕方ないね」
予想外にも……
「どんまい、Aちゃん」
「どんまい」
「めっちゃ想定外なんですけど」
「そんな日もあるよ」
「だからって、なんで君が一番最後なんだよ〜」
「知らない、そういう運命なんだよ、お互いに」
「うー」
「残念でした〜」
どうも小三の会話とは思えないが、
みたいな顔して、先生はなんかニヤニヤしてる。
結局日直トップバッターになってしまった。
最初に終わって楽じゃん。
先生に教えてもらえんだから得じゃん。
そう思うようにして、
皆はえーとかうーとか言いそうな所で
「まあね、仕方ないね、うん。頑張りまーす」
と、冷静に流した。
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作者名:明音 | 作成日時:2016年12月26日 17時