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マンマに友達に会いに行くため、しばらく帰ってこないことを伝えるとかなり話し合った後に
「…あなたがここまで真剣な目で言うなら、仕方ないわね」
と、許しをもらえた。
「ありがとう!マンマ!」
マンマにハグをした後、「行ってきます」というと、マンマはいつも通り「いってらっしゃい」と言ってくれた。
「とうとうこの時が来たのね…必ず、帰ってくるのよ、A。あなたは、夫のようにはならないで」
「…出てきたはいいが、どこに行けばいいのか」
困った、困ったぞ!
手掛かりというものが名前くらいなもんだ!
「き、聞いて回るしかないのかな」
人と話すのは、どうにも苦手だ。
何を話せばいいのか。そもそも、話しかけるにはどうするのか?
これらを考えたうえで話すということだろう?
「ぐ…やりたくないが」
これも、トリッシュの為だ。
頑張れ私…頑張れ私!
「おや?どうしたんだい、Aちゃん」
「え!?あ、おばさん?」
いきなり、話しかけられてびっくりした…。
なんだ、知り合いのおばさんじゃん。
「いや、何でもありませんよー」
「そんなこと言ってー!何か困ってるんでしょ?」
一応聞いてみるか…。
「えーっと、と、トリッシュ見かけませんでした?」
「…知らないね」
あれ?一瞬、驚いた表情をした?
「本当に知りませんか?」
「知らないよ。力になれなくてごめんねえ」
……本当に知らないのか?この人?
一瞬見せたあの表情の中に何かを感じた。
でも、このまま詰め寄っても情報は出ない。
どうすればよいのか…。
「それじゃあね、私はこれで」
「あ!」
このままだと行ってしまう!
ど、どうしよう!
―――トリッシュは男に連れられた―――
え?なに?
―――二人は港に向かった―――
「うぐ…!」
なにこれ、頭が痛い!
いや、それより!
さっきのは幻聴?なに?なんだったの?
「Aちゃん、どうしたの?大丈夫?」
「……大丈夫です。おばさん、トリッシュは港に行ったんですか?」
「え!?なんだい、知ってたのに聞いたのかい!」
「まあ、はい」
どうやら、合っていたらしい。
「大きな声で言えないから、ちょっとこっちきなさい」
「は、はあ」
さっきは渋ったのに、教えてくれるのか…。
道の端っこに寄り、おばさんは小声で話し始める。
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作者名:羊羹 | 作成日時:2019年10月15日 0時