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「……あれ?私、何してたっけ」
確か、三人が敵がいるかもしれないから私のスタンドを使って、探して。
その途中に不自然な鏡を見つけて、そこに男がいて―――
「そうだ!鏡に吸い込まるようにきたんだ!」
ていうことは、ここは鏡の世界?
三人は無事なの!?
どこにいるの!?
探さなくては!
「あれ?出ない!」
スタンドが出なくなってる!?どういうこと!?
「お目覚めのようだね」
「だ、誰!?」
こちらに向かって歩いてくるのは、先ほど見た男ではなく、仮面をつけてマントをつけた人物だった。
「……あんたが来るってわかってたよ」
「な、なに言ってんの?私はあなたのこと知らない!」
「そりゃあね。自分とあんたはここで初めて会うんだから」
この人は敵?何者なんだ?
「怖がらなくていいよ。あんたには何もするつもりはないよ、今のところ」
「……じゃあ、何がしたいの?」
「取引だ」
取引?
「簡単な取引。あんたはトリッシュを危険なことに突っ込んでほしくないんだろう?」
「え!?」
な、なんでこの人知ってるの?
「自分たちは、トリッシュの父親の正体を知りたいんだ。その為には、トリッシュが必要。正体を知るためには、拷問だってする」
「な!」
そんな危険なことさせるわけには!
「でも、ここであんたが来てくれれば、トリッシュを奪わなくてもいい」
「え?な、なんで?」
「あんたのスタンド、情報を引き出す能力だろう?」
この人、なぜそれを!?
「そのスタンドは自分たちにとって、とても良い能力さ。それならば、トリッシュを諦めることだってできる。どうだい?」
「私が貴方たちのところに行けば、トリッシュを狙わない?」
「ああ」
「トリッシュとは会えなくなる?」
「……落ち着いたら、会えるさ」
その人は、私の前で右手を差し出す。
ここで握れば、トリッシュと離れてしまうが、トリッシュの安全は確保される。
父親のことも気にせずにトリッシュは生きれる?
だけど―――
次の瞬間、サッと世界が変わる。
その時、聞こえた声。
―――トリッシュの安全は『今のところは』だが―――
「!!!」
マスクの人から距離を取る。
「嘘じゃあないの!」
「……まさか、スタンドを?使えるはずが」
マスクの人は少し固まった後、静かな声で呟く。
「やられてしまったか…」
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作者名:羊羹 | 作成日時:2019年10月15日 0時