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Aside
車に乗って何時間経ったのか…いや、何時間も経ってないかもしれない。
き、気まずいな…。
特に隣の人が怖いよ…。
前の二人は任務について話しているみたいで邪魔できないし。
…そもそも、話しかけようにもできない性格じゃないか、私。
とりあえず、今は任務のことを考えよう。
この任務で同行できるかが決まるんだから。
内容は指令のキーをゲットすること。
その場所はもうわかっている。
そこにあるキーを取り出せばいい。
…私の役立つ事なさそうじゃない?
もしかして、これって詰んでるのでは?
や、やってしまったかー!?
「う、うう…」
「お前、どうした」
アバッキオさんが声をかける。
「いえ、なんでも、ないです」
「そうか」
泣いてる暇はない!とりあえず、今は役に立つことを考えよう!
目的の場所に着き、降りようとした時だった。
「お前はここにいろ」
アバッキオさんは私に言う。
「な!なんでですか!」
「今回は見つけて拾うだけだからだ」
「わ、私も行きますよ!」
「ダメだ」
うぐ!圧がすごい…!!!
どうにかして行かないとここで終わってしまうぞ!
「そこまでしなくてもいいんじゃないですか」
ジョルノさんがこちらに歩み寄ってくる。
「おい、新人。ブチャラティはこの任務で『活躍できるようなことが出来れば認めよう』って言ったんだ。今はその時じゃあねえんだよ」
確かにそう言ってたけど!
「それでは彼女は何もできないままです」
アバッキオさんがジョルノさんを睨んでいる。
「……じゃあ、ここで私のスタンドを使います」
「え?それは」
「だって、この近くにも敵がいるかもしれないから」
「ほお」
これは使っていいということよね?
「それでは、お願いします」
ジョルノさんが言う。
うん、使っていいんだ。
「それでは……『ベストセレクション』、声を聴かせて」
スタンドが出てきて、私の耳元で囁く。
三人の声以外に聞こえてくる。
これは、一つの声?
―――この三人から引き出して何をしているか聞かなければ―――
「……聞こえた。私たち以外にも一人います」
「なんだと…?」
「本当に聞こえたのか?」
「はい。私のスタンドは人の考えを知ることができる能力。知るっていうのは、聞こえるっていう感じでわかります」
「やりましたね、A」
「い、いやーそれほどでも…」
ジョルノさんに褒められる。
褒められ慣れてないな…私。
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作者名:羊羹 | 作成日時:2019年10月15日 0時