薄桜鬼での生活は波乱 (ページ39)

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池田屋事件！ページ39

千鶴side

「山崎さんが行ってください！」

「君は走れ！」

頷くしかなかった
そして、真っ直ぐ前だけを見た
次の十字路に差しかかった瞬間──

「このまま走れ！」

「･･･っ」

真っ直ぐに走る。
涙が出そうだった
その時、不意に──

「っ！？」

目がくらんだ

「何やってんだ、てめえは」

心の底から安堵した
へなへなと座り込む私に、原田さんが手を差し伸べてくれる。

「大丈夫か？勝手に屯所から出てると、土方さんに怒られるぞ？」

「ほ、本命は…池田、屋…」

「本命はあっちか！？」

私は何度も、必死で首を縦に振った。

「…敵の会合場所は池田屋である、と？」

「総長命令ですね」

「よく俺らと合流できたな。京の地理には詳しくないんだろ？」

「やま、…山崎、さんが…！」

「会津や所司代はどうなった？もう池田屋に行ってるのか？」

首を横に振って答えた。声は出せそうにない。

「斎藤と原田は隊を率いて池田屋へ向かえ」

「あんたもこれ以上の単独行動は危険だ。俺たちか副長か、どちらかに同行しろ」

呼吸を整えながら素直に頷く。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

静まり返った夜道を急ぎ、ついに私たちは池田屋まで辿り着いた。
建物の中からは、持続的に叫び声が聞こえてくる。
いくつもの断末魔に混じって響いていた、威勢の良い声は近藤さんのものと似ていた。

「──俺は正面から突入する、血桜」

「了解です」

いつもの掠実ちゃんからは想像できないくらい真面目な顔をしている。

「わかった。俺は裏に回るぜ」

「私も原田さんと一緒に行きます！」

「一緒に行く、か。そう言われて置き去りにはできないよな」

原田さんは振り返ると小さく笑った。

「ま、お前のことは守ってやるから、あんまり俺から離れるなよ？」

「はいっ！」

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＿掠実side

千鶴ちゃん原田さんのこと好きなのかな？
結那来ないじゃん！もう中にいるの！？
はぁ…。

「突入する。…各自、俺に続け」

「──ぐあっ！？」

「斎藤君、血桜君！来てくれたか！これは心強い援軍だな！
俺は大丈夫だ。二階の総司を見てやってくれ」

「分かりました」

そう言い階段を駆け上る。誰よりも早く。
沖田さんの所へ行くとなると。何で私が見に行くの！？普通結那でしょうが。
つか風間と会いたくない！