薄桜鬼での生活は波乱 (ページ20)

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本編！(新選組side)２ページ20

No side

「あれ、いいんですか土方さん。この子、さっきの見ちゃったんですよ？」

土方はめちゃくちゃ険しい顔をする。

｢…いちいち余計なこと喋るんじゃねえよ下手な話を聞かせちまうと、始末せざるを得なくなるだろうが｣

掠実はそんな中(千鶴ちゃんは殺すことにはならない…と思いたい…)と思っていた。

｢この子を生かしておいても、厄介なことにしかならないと思いますけどね｣

結那は(わぁ可愛い)と思いながら笑っていた。

「とにかくなんでもかんでも殺せばいいってもんじゃねえだろ。…こいつの処分は帰ってから決める｣

｢俺は副長の判断に賛成です。｣

｢僕も、それでいいと思います」(一人称変わったって？知るか()

｢僕はどっちでもいいや。それにしても、実務に使える物じゃないね｣

｢頭の痛ぇ話だ…つうか、おまえら。土方とか副長とか呼んでんじゃねえよ。伏せろ｣

｢ええー？伏せるも何も、この隊服を着てる時点でバレバレだと思いますけど｣

土方に睨まれつつもけらけら笑う沖田。

｢隊服だけ脱がせとけ。…後は監察の方で何とかする｣

「新選組の隊士が斬り殺されているなんて、僕たちにとっても一大事ですしね」

「ねえ、ところでさ。助けてあげたのに、お礼のひとつもないの？」

「えっ、あの、ありがとうございました」

「どう致しまして。僕は沖田総司と言います。礼儀正しい子は嫌いじゃないよ？」

「うわ。沖田さんずるいですよ！僕だって！筑紫結那です！宜しくね！」

自己紹介している二人を見て、掠実は(うわぁ呑気すぎる)と思っていた。

｢君を助けたのが斎藤一君それで、こっちの偉そうなのが──｣

｢…わざわざ紹介してんじゃねえよ｣

｢副長。気持ちはわかりますが、まず移動を｣

｢一寸御免ね」

掠実はそう言うとトン、と千鶴の首に手刀を落とした。

「じゃあ行きましょう！」

そう言って掠実が抱えて、全員は屯所へと歩きだした。

「土方さん凄い副長とか、名前とか言われてましたね」

いやぁ凄かったと笑う掠実。
「普通は伏せるだろ…」といった土方はもう呆れていた。

「「だってそっちの方が面白かったんだもん」」

「だってじゃねぇだろ」「もんじゃないでしょ」

土方と掠実は、けろっとしている沖田と結那にツッコんだ。

「にしてもこの子も頑張ったみたい。お疲れ様」

そう言って掠実は、千鶴の頭を優しく撫でた。