薄桜鬼での生活は波乱━第4の物語━ (ページ28)

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過去篇～開かれる扉～ページ28

__ 語り手視点

小雪「分かってるんですよ。鈴野の巫女、ナメないでください」

10歳に似つかない台詞とオーラに、時任や美夜、未来から来た人は冷や汗をかく。

神(仮)「まっったく…」

ふぅ、と息を吐く。
一度下を向いたかと思えば、顔を表に上げる。

神(仮)の目は、先程までと程遠いものだった。
そう───おちゃらけたものから真面目なものに変わったのだ。

神(仮)「改めて自己紹介するよ。僕は鈴野神社に祀られてる神様、時渡神(トキワタリノカミ)さ。
いやぁ、こんな直ぐにバレるとはね」

小雪「ふざけるのが好きなので、あんな感じのクイズ大会はたまに巻き込まれるんです」

嘘の性格を出してごめんね？と微笑した神を横目に、小雪はやめてほしいんですけどねとでも言うかのように言った。

神「別にいいじゃないか。結局は君らだって楽しんでるだろう？」

小雪「別に」

そんな台詞を言った小雪に結構辛辣ね…と溢したのは美夜だった。

千賀「こんなところでクイズ大会(あんなこと)などをしたからには、それ程重要な情報を貴様は持っているのだろう。
それかあの倉庫にそれ程の価値のものがあるかのどちらかだな」

美夜「まっ、まあまあ…」

若干鬱陶しそうに言った千賀を、美夜がたしなめる。
すると突然、莉夜と華月は光に包まれた。

莉夜「！？こっ、これは…！？」

華月「おい、どういうことだ！？」

神「残念だけど君らには帰ってもらう。これからの話を君らに聞かれるわけにはいかない。
美夜の両親には僕の名前を出せば分かってくれるはずさ」

神がふっ、と笑った瞬間に、莉夜と華月はその場から消えてしまった。

神「さて、大事な話をしよう。この倉庫の中においで。

血桜の鬼、鬼頭の鬼、風間の鬼、鈴野の巫女」

時任「ちょ…！？」

すると時任、美夜そして小雪の視界は暗転した。

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時任「ったぁ…。
っ！？そっ…倉庫の扉が！」

時任が目を開けると、その先では倉庫の扉が開かれていた。
ここに来た当初は開かれていなかったのに。

千賀「この中か…あまり時間はかけられん。早く行くぞ」

恐れる様子など無く、足早に進んでいく千賀を追いかけるように、美夜と時任もその中へと進んでいった。

そして、彼らが倉庫の中に入るとその倉庫の扉は誰が動かしたでもないのに閉ざされた。

まるで、誰にも入らせぬように。