守沢千秋が私を嫌いな理由【守沢千秋】

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「 忍び足でござるよ 」

『 しのびあし … 』


忍くんに連れられて守沢くんと女の子が
食事していたところへ向かう。


羽風くんと高峯くんと忍くんというなんだか心強くはないメンバーだけれど鉄虎くんは昼練らしい。


アイドル科の裏にある門から出て少し歩くと
普通科との間に人が通れるほどのやや広い通路。
路地なのだけれど。
そこを忍くんが突き抜けていく。


「 もう少しでござるよ、しーっでござる 」

「 こんなのつらすぎる 」


高峯くんは鬱モードに入る。


すると校舎裏から見ることの出来る桜の木と
木でできた机と椅子。
まるで立地の悪いデートスポット。


「 ちらっとだけでござるよ 」

建物からちらりとのぞけばそこにはいた。
普通科の制服を着た女の子と守沢くん。
確かに彼はいつもみたいに笑わない。
ぼおっとしているように見える。


「 へぇ〜、もりっちがデートなんて隅に置けないなぁ 」


この重い空気を晴らそうとしたのだろうけど
私の気分は下がるだけだよ、羽風くん。




「 ネクタイ的に緑だから３年生…かな 」

「 なにを目的で会ってるんでござるか 」



翠くんが言う通り緑のネクタイの女の子。
可愛い女の子だ。


『 … もう私だめだぁ 』

「 あきらめて俺のところ来てもいいけどね 」


そう言って肩を抱き寄せた羽風くんに
なんだか照れてしまって翠くんが

そういうのいい加減に…と死にそうな顔。






そんなとき


一瞬だけど守沢くんと目が合った気がした。






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