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「 お前最近さ、帰んの早くね? 」
とあるクラスメイトにそう声をかけられた。
その1人の私への質問に便乗するように
人が増えてきた。
「 昼休み、どこに行ってんの? 」
とまた質問が増える。
その通り、私は以前より学校を出る時間が遅くなった。
そして、昼休みも以前は教室で過ごしていたものの
今までは昼休みの始まりのチャイムと共に、
教室を出るようになった。
『 プロデューサーとしての生徒会の手伝い! 』
そう言うとみんなは納得したように頷いてくれた。
本当は、
昼休みは生徒会室にいる朔間さん会いに行き
放課後は朔間さんと共に帰っている。なんて
誰にも言わない秘密にしたかったからだ。
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キスを交わしたあの日を境に私の世界は変わった。
頭の中は朔間さんばかり浮かんで埋まって
怖くて話したくもなかったのに
彼のことを知りたい、なんて思ってしまって。
「 な、俺が送ってやるよ 」
そう言って私は腕を少し強引に掴まれて
一緒に帰った帰り道を思い出す。
ただの通学路が、こんなに楽しいなんて
隣にいる人を考えるとこんなに胸が苦しくて、
甘酸っぱいなんて。
____ だけど、好き と言える勇気は
私にはまだないから 。
いつか絶対告白する 、と
今日も一緒に帰ってくれた朔間さんの横顔を見つめながら、そう誓った。
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作者名:白城あろ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月22日 16時