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「あふ…おあよーございまぁす…」
「遅いぞ真波!お前今日掃除当番だってラインしただろう!」
「東堂さん怖いです〜。ラインは…あぁ、昨日帰ってすぐ寝たので見てなかったです」
「お前ってやつは…」
朝、部室に入るなり 怒られる真波くん。
なぜか私は真波くんと顔を合わせずらく、こそこそと部室の隅のほうへ逃げる。
と。
「Aさん、おはようございまぁす」
ぽん、と肩を叩かれ、過剰に体が飛び跳ねる。
ぎぎぎ、と音がしそうなほど恐る恐る振り向くと、そこには満面の笑みの真波くん。
「…オハヨウゴザイマス」
「わぁ片言〜」
「ち、遅刻したんだから その分働かなきゃだめだよ!真波くんはここモップかけて。
私 ごみ捨て行ってくるから」
「は〜い。…あ、Aさん」
ぐ、と私の耳に真波くんの唇が近づき、思わず心臓が跳ねる。
私のタイピンを人差し指でなぞり、くすくすと笑いながら。
「今日もつけてますねぇ。
チェレステカラー」
からかうような声に、ぐ、と唇をかみしめる。
真波くん、私の反応楽しんでる…!
「まぁね!」
負けじと強い姿勢で返答し、ごみ袋を両手に1つずつ鷲掴みする。
持ち上げようとすると
「わ、重…!」
なかなか持ち上がらないごみ袋に、思わず声が出る。
「あ、A。それ部室にあったいらない書類大量に入ってるから重いぜ」
「新開さん…」
「手伝うよ」
「いいんですか?ありが、」
新開さんに手伝ってもらえる、と 一旦 ごみ袋を床に置きなおす。
と。
隣から、がさっ!と大きな音を立てて袋が持ち上がる。
びっくりしてその方向を見ると。
「んだコレ。軽ぃじゃねぇか。手伝ってやンよ」
「っ、あ、荒北さん!」
「オラ、こっちの軽いほう持て!」
「は、い」
ごみ袋を受け取るとき、触れる肌同士に 胸がきゅう、とする。
あぁ、私ってこんなに乙女だったっけ?
「靖友はAに甘いな。なぁ東堂」
「お、新開。俺もそう思うぞ」
「っせ!早く掃除しろバーカ!」
にやける顔を必死で抑えながら ごみ捨て場へ向かうために部室を出ようとすると。
「………」
ちらり、と見えたのは。
いつになく無表情で、私を見据える真波くんの、目。
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桃(プロフ) - さゆりん★さん» ご愛読と応援ありがとうございます!展開が気になる、と仰って頂けると、どう書こうかなぁ、と先を書くのが楽しみになります。荒北さん素敵ですよね、今度荒北さんの小説書こうかなぁ…。キャラの性格と言葉は気を使っているので着目して頂けたのが嬉しいです(^^♪ (2019年6月11日 21時) (レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
さゆりん★(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!!いつの間にか次ボタン押していて、一気に読んでました… 展開がものすごく気になります!!真波くんは可愛いけど、私はちょい荒北押しかも… キャラの性格も言い方ぴったりすぎて、普通に声優さんの声が聞こえます (笑) 応援しています!! (2019年6月11日 13時) (レス) id: 269cb7a691 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 陽愛さん» 初めまして、ご愛読と応援ありがとうございます(#^^#)評価ももちろん嬉しいですが、こうしてコメントを頂けることが何よりも嬉しいです!陽愛様のコメントが私の創作意欲を掻き立ててくださいます(*'▽')これからもよろしくお願いします! (2019年6月5日 8時) (レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
陽愛 - 初めまして!いつも楽しみに読んでいます(^^)高評価が何度も押せればいいのですが(>_<)これからも応援しています! (2019年6月4日 22時) (レス) id: 99136d3c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃 | 作成日時:2019年5月12日 11時