【忍たま】癒しの巫女

『腕に巻いている黒い縄』 ページ10

「金目の物があればそれも寄越しやがれ!!」



山賊達は刃物をこちらに向けている
えっどうしよう...私何も持ってないよ!!?



孫「(...下手に相手を怒らすと面倒だ、ここは大人しくしよう)
　 すみません、僕たちは見てのとおり何も持ってないんです。他をあたってくれませんか?」



伊賀崎さんはさっきとは違い大人しく山賊達に言った



「確かに...ん、待て...」



すると山賊の一番偉そうな男がこっちをじろりと見てきた
え、キモい



「(こいつは上玉じゃねぇか...ﾆﾔ)おいガキ、
　そこの女をこっちによこせ...そうすれば逃がしてやっても良いぜ?」



孫「っ!!?」

『っ!!?』


えっそれ絶対ダメなやつだよね!?
人身売買みたいな感じですよね!!自分で言うけど私じゃ高く売れないよ!!?



孫「(まずい...僕だけじゃ上級生みたいに乗りきるのは無理だ...)...A」



伊賀崎さんは私にしか聞こえないくらいの声で言った



孫「少しだけ相手の隙を作るからその間に逃げるよ...良いね...」


私は静かに頷いた



孫「...すみません!!僕の隠し持ってるものを渡すので彼女は見逃してくれませんか!!?」



伊賀崎さんは必死なふりをして山賊達に言った



「(どうせなら両方貰っていくか...へへっ)...良いぜ、早く出せ」



すると伊賀崎さんは後ろを向いて腕に巻いている黒い縄を取って懐から何かを取り出した
しばらくすると何かを山賊達に向けて投げた



ボフンッ!!


投げた物が爆発して煙が出てきた
向こうで山賊達のむせた声が聞こえる



孫「今のうちに逃げるよ!!早くっ!!」



私は腕をひかれて一緒に走った...

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