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#1 ページ13

現在18時、左馬刻くんと待ち合わせ中。
予定が合ったから今日呑みに行くことになった。
例のお礼も兼ねて。

「あ、左馬刻くーん!」

あの白い髪にスカジャンは間違いない。
手を振って居場所をアピールした。

左馬刻くんは来るなり渋い顔。

「…何で理鶯がいるんだよ…」

「やあ左馬刻、小官も一緒だ」

「理鶯に今日の話したら一緒にお礼したいって」

「そうかよ。はぁ、店どこだよ行くぞ」



予約したお店のドアを開ければ、店員の威勢のいい声が聞こえてきた。
予約席へ案内され、左馬刻くんとは向かい合わせに座った。

「ここのおばんざい美味しいんだって、友達に勧められたんだ。好きなの食べて!ここは私の奢りだから」

お酒と一緒に何品か頼んだ。
お店は混んでいるけど割かし早くお酒が来た。

「ではでは、左馬刻様に感謝の気持ちを込めて乾杯!」

「おうおう、感謝しろよ」

「乾杯」

乾杯をして当時の話をした。
不思議とあの時の恐怖はなかった。
何でだろう、二人がいるから?

「ありがとうね、捕まるまでずっと不安だったんだ」

「別に。合歓が狙われてたって聞いたし」

「本当合歓ちゃん好きだよね」

「理鶯も大概だがな、なぁ理鶯」

「ん?ああ、自他共に認める姉の愛か?」

「恥ずかしいからやめて」

「そういや、合歓が会いたいって言ってたぞ」

「私も会いたいな、ヨコハマに戻ろうと思ってるところだから丁度いいかも」

「それは本当か?」

「うん近々。落ち着いたし、こっちの方が勝手が良いし」

「理鶯を呼び戻す手間が省けるな」

「それは言えるかも」

他愛のない話をして小一時間。
お酒も入って心地よい。

「二人で飲んでて」

私はバックを片手に化粧室へ席を外した。

少し顔を赤くして酔っている理鶯は唐突に話を切り出した。

「左馬刻の考えていることは大体わかっている」

「急に何だ」

「左馬刻、妹に男がいたらどうする」

「そんなのぶっ殺すに決まってんだろ」

「そういうことだ」

「あ?」

「小官も同じだと言っている」

「……あーそういうことか、可笑しいと思ったぜ」

理鶯が何を言いたいのか察した左馬刻はタバコを灰皿に押し付け立ち上がった。

「お前わざとだろ今日来たの。帰るわ、面白くねぇ」

「そうか」

「姉弟ヨロシクやってろ」

椅子に掛けたスカジャンを取り上げ左馬刻は店を出た。

「ヨロシクできたらもうやっている」

理鶯は誰もいなくなった席で一人呟いた。

#2→←あとがき



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設定タグ:ヒプマイ , 碧棺左馬刻 , ヨコハマ   
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チミ(プロフ) - 曇天に笑うさん» 小説を読んでいただきありがとうございます。曇天に笑うさんの仰る通り「佐」となっていた箇所が複数ございましたので訂正致しました。ご指摘ありがとうございました。 (2020年4月14日 15時) (レス) id: 45074b8498 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - 佐馬刻の佐が違う左だけど (2020年4月14日 13時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:那賀川かがな | 作成日時:2019年9月24日 2時

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