1、マネージャーの仕事 ページ3
マネージャーの朝は早い。
部員が来るまでに学校へ行き、ネットや、ボールがすぐ使えるように準備をする。
ネットは重く、危ないので体育館に出しておき、すぐに張れるようにしておく。
ボールはバレーボールならこれといった硬さが決まっている。その硬さに空気圧がいっているかを全てのボールで確認する。
両方の準備が出来れば次は飲み物。基本的には朝の飲み物はあまり用意しないのだが、朝にも飲みたいと言う部員の要望で朝も夕方の部活と同じ量を用意する。一通り終わったら後は部員が来るのを待つ。
これがマネージャーの朝の仕事だ。
最初は朝が苦手なのとやる事の多さに参っていたが、慣れてくるとすぐに出来るようになった。
まぁ、朝が苦手なのは直っていないのだが……。
ベンチに座り待っていると、体育館のドアが開いた。いつも初めに来るのは、
「はよう、いつも悪いな」
岩泉一先輩。岩泉先輩は部員の中でも1番に来て、何かと手伝ってくれたりする。ネットを私1人で立てられないのを知って手伝ってくれているのも岩泉先輩だ。
「いえ、マネージャーの仕事ですから…。今ネット張るの手伝います」
「おう、助かる」
岩泉先輩とネットを立てていく。朝練は1コートしか立てないので意外と楽だ。
ネットを張り終えた頃くらいに次の部員が体育館に来た。
「おはようございます！ほら、国見も」
「……おはようございます……。」
2番目に来たのは1年生の金田一くんと国見くんだった。金田一くんは国見くんの荷物も持たされているのか荷物が2倍になっていた。国見くんの方はと言うと…今にも目が閉じそうな勢いで立っている。
この光景もいつもと変わらない。でも、いつ見ても少し笑ってしまうから不思議だ。
「早く準備しておいでよ、すぐ練習出来るから」
「ありがとうございます！国見行くぞ」
「ん……」
私の言葉に元気よく頷くとまだ眠そうな国見くんを引きずるようにして部室へ歩いていった。
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作者名：名も無き審神者 | 作成日時：2018年4月19日 17時
