私？一介の下級構成員です。・・・よね？【文豪ストレイドッグス】

八話 ページ8

―――或る休日。


マフィアに休日あるのか？…あります。
マフィアだってブラック企業じゃないんだから。

企業ではないけど。

普段は家でゴロゴロしてるが、偶には外出しようと思い、外に出た。

…のはいいんだけど、

「何もすること無いな」


行きたいとこもないし、趣味があるわけでも無い。

服にも無頓着なのでお洒落にも興味がない。
却説、どうしたものか。


等と考えていると、聞いたような声がした。

「咲楽！待て、」

「わッ！？」

前方から子供が走ってきてぶつかってしまった。
少女は勢いからか尻もちを搗く。

「大丈夫？」

手を差し伸べると、泣くのを堪えるように唇を噛んだ少女はこくりと頷いて私の手を取った。

起き上がらせ、砂を払う。

「御免ね、痛かったかな？」


可愛らしい洋服を着て、髪を二つに結んだその少女は頸を振った。

「そう・・・」
「済みません・・・」


申し訳なさそうに走ってきた男性を見て、あ、と声を上げる。
見覚えがあると思ったら。


「織田作之助さん？」
「・・・？」

「あ、そうですよね。判りませんよね」


あの時はサングラスしてたし、髪結んでたし。

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