七話 ページ7
「何つーか、手前も災難だな」
「いえ。幹部命令でしたから」
「御免ねー?何か巻き込んじゃって」
「いえ。・・・私はもう、行ってもいいのでしょうか?」
少し頸を傾げて訊ねる。
太宰幹部はニコッと笑ってひらひらと手を振った。
「うん。もう善いよ。有り難うね!」
「・・・では」
一礼して私は部屋を後にする。
背後からは中原さんの怒声と太宰幹部の面白気な声が聞こえた。
本当に仲が悪いんだな。
ふと外を見ると、もう夜だった。
―――夜。
私は夕暮れのほうが好きだな。と、的外れな事を考え乍ら、私は再び歩き出した。
×××
私は帰路についていた。
服も私服に変えた。
黒服のままでは駄目だから。
家に帰ったら何を食べようか?
少々子供っぽいが美味しいのだから仕方がない。
よし。挽肉焼にしよう。
今夜は絶対に挽肉焼だ!
そんな仕様もない決意を固めている時…
ドンッ!
「ッ!」
誰かにぶつかってしまった。
謝ろうと顔を上げる。
と、
「済みません!」
先に謝られてしまった。
色素の薄い目をした女性が申し訳なさそうに此方を見る。
「あ、大丈夫です。・・・こちらこそ済みません」
「相変わらず鈍くさいな、辻村君」
「な、何ですか、綾辻先生!一寸ぶつかっただけじゃないですか!」
「ちゃんと君が前を見てなかったからだろう」
遮光眼鏡を掛けた男性とその女性が言い合っていた。
どうすればいいのか・・・?
「あの、私も前を見ていなかったので…」
「済みません、本当に・・・。あと、気をつけてくださいね。女性が夜中に歩いてるのは危険なので」
「有り難う御座います。気を付けます」
お辞儀をして再び歩き出した。
一見、何てこと無い二人組。
気になったのは男性の方だ。
私を見て目を見開いた。
明らかに驚き、動揺していた。
後ろからは未だ、二人の言い合いが聞こえてきた。
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Smile - 読んでてとても楽しかったです!!!続編待ってます (2018年1月16日 20時) (レス) id: 7981af13dc (このIDを非表示/違反報告)
団子 - 続編読みたいです!頑張って下さい! (2017年11月11日 16時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - すごく面白かったです!織田さんとの恋愛が読んでいて一番印象的でした。続編、楽しみです! (2017年10月8日 3時) (レス) id: eef365d12e (このIDを非表示/違反報告)
ぐーさん - 初めまして。あもサン (2017年5月30日 23時) (レス) id: 18ff760733 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - この作品、何回も読み直すくらい大好きです!!主様、頑張って下さい。 (2017年3月31日 22時) (レス) id: f4f41de96b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あも | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月31日 18時