十二話 ページ12
その一言で織田さんの表情が強張った。
元々表情は変わらない人だけど、此の時ばかりは流石にそうだよね。
此の反応は図星、か。
「何故、」
「いえ、何となくです」
「何となくで、判るのか?」
「勘は善い方なので」
「そうか・・・」
暫く無言で歩き続ける。
空気が重い。
沈黙を破ったのは織田さんだった。
「そういえば、名前を未だ聞いていなかったな」
「あ、そうでしたね。
川端Aです」
「川端Aか・・・。Aと呼んでも構わないか?」
「ええ、構いませんが」
「そうか」
織田さんはにこりともせずそう云った。
この人も笑わないのだろうか。
私もだけど。
そういえば或る人に
『Aって機械みたいだねェ』
って云われたな。
ただ表情筋が硬いだけなんだけど・・・。
まあどうでもいい。
等と考えていると、どうやら目的地に着いたらしい。
此処は・・・
「定食屋?」
「この二階に子供達の部屋があるんだ」
「そうなんですか」
案外私の住んでる部屋に近い。
ていうか歩いて直ぐだ。
「じゃあ、私はこれで・・・」
「嗚呼、
_____有難う」
初めて織田さんが笑った。
笑ったというよりは微笑んだ、の方が正しいだろうけど。
「いえ・・・。では又た」
668人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Smile - 読んでてとても楽しかったです!!!続編待ってます (2018年1月16日 20時) (レス) id: 7981af13dc (このIDを非表示/違反報告)
団子 - 続編読みたいです!頑張って下さい! (2017年11月11日 16時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - すごく面白かったです!織田さんとの恋愛が読んでいて一番印象的でした。続編、楽しみです! (2017年10月8日 3時) (レス) id: eef365d12e (このIDを非表示/違反報告)
ぐーさん - 初めまして。あもサン (2017年5月30日 23時) (レス) id: 18ff760733 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - この作品、何回も読み直すくらい大好きです!!主様、頑張って下さい。 (2017年3月31日 22時) (レス) id: f4f41de96b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あも | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月31日 18時