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三話 ページ5

ジャラ、

「あらら。」


私は何重にも鎖で拘束されていた。
ここが、留置場・・・?


そこまで悪くないかも。


「起きているか。」


聞き覚えのある声。
…来た。

「拘束所の居心地はどうだ。」


その問いに私は満面の笑みで答える。


「悪くは無いよー?空調も効いてるし。

ただ、なーんでこんなか弱い少女をこんなとこに縛りつけるかなあ。」


福沢さんは表情を変えず云った。


「訊きたいことがあって来た。」


そして私に記憶素子を見せてきた。


「これはある国家系の機関が使う記憶素子だ。
解読には専用の機器が必要で、中の情報を盗むのは至難の業。

これは承認保護プログラムの保護下にある人物が、世間に隠れて
保護期間と情報をやり取りするためのものだ―――――つまり、

犯罪組織に狙われる重要人物が持っているものだ。

そしてその重要人物には共通した特徴がある。


全員が異能者であるということだ。」


福沢さんは私を注視する。
私は笑顔のままだ。


ある意味狂っていると思われたかも。


「ここからが本題だ。
お前ほどの凄腕なら、外部の組織から依頼を受けて動いたこともあるだろう。

最近、異能者を捕まえる依頼を受けなかったか?」


私は答えない。


「どうだ?」

「依頼人については明かせないんだけど。」

「依頼人でなくてもいい。
最近この界隈で、一人の異能者を生け捕りにできる人間を探している、という話を聞いたことはないか?

保護期間によって身元を隠されているうえ本人が神出鬼没で姿を見ることすら困難な標的。

そいつを秘かに発見し生け捕りにする。
桁外れの報酬の、正体を伏せた依頼人からの仕事だ。

依頼人は、天使か、"V"か――――それに類する名を名乗っていると思われる。」

私はわざと肩を動かした。


「連中については話したくないな、あなたは連中の目的について知ってる?」


「知らない」


「大儀だよ。
金のために殺す。憎いから殺す。そういうのは理解できるよ。

けど、奴らは大義のために殺す。

そんな連中とは関わりたくないね。

大義を目的にした殺しを突き詰めると最後は、


"殺すのは誰だっていい"ってところに辿り着くんだから。」


私は不適笑って見せた。

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ツツジタケ - つづ...続きを...すごく好きなので続きが欲しいです! (10月28日 11時) (レス) @page10 id: 5d2983dfbd (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 続きがない…?! (8月14日 16時) (レス) @page10 id: 07b28c2f89 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 闇九尾さん» 有り難う御座います!これからもよろしくお願いします。 (2016年12月5日 19時) (レス) id: fa5d163a15 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 夢見草さん» 嬉しいです。有り難う御座います! (2016年12月5日 19時) (レス) id: fa5d163a15 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 我らが暴君ボスLOVEさん» 有り難う御座います!頑張ります。 (2016年12月5日 19時) (レス) id: fa5d163a15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あも | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年7月28日 21時

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