【文スト】中原さんに貰われました。【中原中也】

花弁が九枚 ページ10

「っ・・・・光里っ！」

一歳になったばかりの私の子。
ようやく、この腕に抱くことが出来た。
温かい。この温かさが、嬉しい。

涙が、溢れる。

「・・・可愛いな。」

中也さんが光里の顔を見て云った。

「母親似か。」

そう云って、優しく笑う中也さんを見て、私は確信した。
この人しか居ない。

「中也さん・・・」

「ん？何だ？」

断られるかもしれない。
だけど、それでも、私はこの人に＿＿＿＿＿


「厚かましいことは判ってます。だけど、御願いです。


＿＿＿＿この子の父親に、なってくれませんか？」

深々と、頭を下げる。
怖い。怖くて、震える。

「＿＿＿＿＿＿はぁ？何云ってんだ？」

「っ、」

「元から、俺はそのつもりだった・・・って、伝わってなかったのかよ。」

「・・・・え？」

「別に、父親まで考えてた訳じゃねぇけど、一緒に育てるつもりだった。そうじゃなきゃ、子供も一緒に家に来い。なんて、云わねぇだろ。」

「あ、確かに・・・」

「父親で良いってんなら、父親になってやる。」

「あ、ありがとう、ございます・・・！」

「ったく、態々頭下げねぇでも・・・。じゃあ、行くぞ。」

「何処に？」

「俺の家に決まってんだろ。荷物はもう、届いてるからな。」

そこまで云って、中也さんは悩みだした。

「うー、あー・・・いや、さすがにそれは未だ早いか。」

「何が早いんですか？」

「・・・いや、何でもねぇ。」

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