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花十三輪* ページ33

「失恋だぁ・・・。」

告白すらしてないのに。
いっそのこと、愛人にしてくださいとでも云おうかな。
なんてね。

「はあ・・・わっ!」

「わあっ!」

前を見てなかったから、小さな女の子とぶつかってしまった。
女の子が、尻餅をつく。

「ご、ごめんね?だ、大丈夫・・・?」

「だいじょーぶ!おねえさんは?」

「大丈夫よ。」

泣かずに、その上私の心配までしてくれるなんて、凄い子だな。
伸びた髪をお団子にまとめているその子は普通の同年代の子より、とても可愛かった。
子役より可愛いかもしれない。

「光里!」

「あっ、ママ!」

女の子の後ろから女の人が走ってきた。
女の子と同じ、髪を後ろでまとめた女の子によく似た綺麗な人。

「もう、走ったら危ないって云ったでしょ?すみません・・・」

「いえ!私も前を見ていなかったので・・・」

「でも・・・」

「この子も尻餅ついちゃいましたし、お互い様、ということで。」

「・・・優しい方ですね。」

「いえ!」

笑うとますます綺麗。旦那さんは幸せ者だなぁ。

「あれ?ママ、パパは?」

「パパはお酒見てるって。もうすぐ来ると思うよ。」

「あっ!来たよ!パパー!!」

女の子はたたたっと、走って、男の人に抱きついた。
男性は女の子を抱き上げた。

「走ったら危ないって、ママが云ったろ?」

「ごめんなさい・・・」

「次からは気を付けるんだぞ。」

優しい声。その声は、聞いたことがあって、真逆と、男性を見た。

優しい笑顔を浮かべたその人は____

「中原幹部・・・」

「ん?茅野じゃねぇか。奇遇だな。」

「知り合いなの?」

女の人が中原幹部を見て、私を見る。

「俺の部下だ。」

「あ、そうなんですね。主人がいつもお世話になっております。」

「あっ、いえ、私の方こそいつもお世話に・・・」

この二人が、奥さんと娘さんだったんだ・・・。
中原幹部が奥さんの横に並ぶ。
家族なんて似合わない人だと思っていたけど、凄く、似合っている。
幸せそうな家族だ。

「お酒は買えたの?」

「嗚呼、A用のも買っといた。」

「それ、私を酔わせるため?」

「勿論。」

もー!と怒る奥さんを愛しそうに見つめる姿は私の心に刺さる。
本当に、愛してるんだな。
私の入る隙なんて、ないじゃないか。

「中原幹部・・・」

「あ?」

「御幸せに!」

「あっ!おい!」

▽▽▽
「何だったんだ?」

「・・・鈍感。」

「は?あ、おい、A!」

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- すみませんコメ欄でパスワードをご教示されないという所を読んでいなくて不躾な質問をしてしまいました。申し訳ございません (2022年3月28日 18時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
- 弱虫彼女の言行録【中原中也】のパスワードをお教えください! (2022年3月28日 17時) (レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
ミント - とても感動しました! (2020年8月17日 21時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - とても感動しました! (2020年8月17日 21時) (レス) id: ccb520a109 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨花火(プロフ) - あぁーもーこの作品す☆き☆これからも頑張って下さい!! (2018年8月19日 22時) (レス) id: c6a781ea39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あも | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huzisaki5  
作成日時:2018年5月22日 20時

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