【文スト】中原さんに貰われました。【中原中也】

花十二輪* ページ32

私はポートマフィアの構成員だ。
私には今、好きな人がいる。

「おい、茅野！」

「はい！何でしょう？中原幹部」

「これ、纏めといてくれ。」

「判りました。」

直属の上司で幹部の中原中也さんだ。
ここに来て二年だけど、とても素敵な人だと思う。
正直、一目惚れだった。

乱暴な口調だけど、優しいし、任務の時の強さは鳥肌が立つほどだ。
お近づきになれればと、ずっと思っていた。
出来ることなら、その隣に。

そう、思っていたのに＿＿＿＿。

「・・・へ？」

「中原幹部、奥さんいますよ。」

「えっ・・・？」

「三歳の娘さんも。」

「ええっ・・・！？」

そんなっ・・・！
だって、前に彼女いるんですか？って訊ねたときは、そんなもん居ねぇよって・・・。
あれって、彼女は(・)いないって事だったの？

娘もいるって、しかも三歳って・・・つまり、19でってこと？

「でっ、でも、何で今判ったんですか？」

「偶々、休日に私が家族と行った公園で中原幹部と会って、女性と子供を連れていたから、ご家族ですか？って訊いたら、中原幹部が嗚呼、そうだ。と。別に、隠してるわけでもなさそうでしたけど。」

「そんなぁ・・・」

「可なりの愛妻家かつ子煩悩そうでしたから、諦めた方が良いですよ。」

「うー・・・」

私は直接、本人に訊いてみることにした。

▼▼▼
「中原幹部！」

「お？仕事終わったのか？」

「え？あ、はい。これです。」

「ん、ありがとうな。手前は仕事が早くて助かる。」

「ありがとうございます・・・」

ううっ、矢っ張り格好いい・・・。

「ん？どうかしたか？」

「あ、あの、中原幹部、中原幹部に、奥様とお子様が居るって、本当ですか・・・？」

「誰から訊いたんだ？って、あー、彼奴だな。この前公園に居た。
嗚呼、居るぞ。」

「そ、そうですか・・・。」

「用はそれだけか？ならもう・・・」

「あ、はいっ、失礼しましたっ・・・！」

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