検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:25,944 hit

いつつめ ページ6

「そーちゃん、」


ベッドの上の姉上は掠れた声で俺を呼んだ。

差し出された手を、両手で握る。

まだ、温かい。


「あね、うえ・・・」

「ごめんねぇ...。おねえちゃんもミツバと同じように、あなたを置いてかないといけなくなっちゃった。」


「そんな、」

「もう・・・・だめみたい。」

「そんなこと、言わないで、」


「ミツバと、約束したのにね。

ミツバのかわりに、そーちゃんの成長をみとどけるって・・・

でも、もう、むりだね・・・」

「あねうえっ・・・!」


手を、強く、強く握りしめる。

だけど、握り返されたその力はとても弱い。


「そーちゃん、なかないで・・・。

あのね、そーちゃん・・・


・・・そうご、おねえちゃんの目をみて、

ちゃんと聞いて。


あなたのことがだいすきよ。あいしてる。

いじわるでも、ひねくれてても、それでも、


あなたは大切な弟だから・・・。


おねえちゃんはしあわせだよ。

おいていっちゃうのは、ほんとうに、ごめんなさい。

だけど、あなたはひとりじゃないから、

おねえちゃん、心配してないよ。


だからね、

いちばん、だいじな、さいごのおねがい。」


「・・・なんですかィ?」


「そーちゃん、あのね、」


「************」


『お願い』を告げた姉上の呼吸はだんだんと弱くなっていった。


「姉上っ!!」

「いやだ、待って、俺を置いてかないで、
姉上....」



姉上の手は、もう、握り返すことはなかった。



─────────




モニターには0という数字が映し出されていた。

.→←よっつめ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 死ネタ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

白雪 - 泣いてしまいました。とても素晴らしい作品です。 (2019年8月8日 19時) (レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
山乙女 桜(プロフ) - なんだこれ素晴らしいかよ (2018年8月6日 17時) (レス) id: c43285d175 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - 面白かったです(泣)銀魂の兄弟、家族系大好きなのでめっちゃ面白かったです!これからも頑張って下さい! (2018年8月6日 0時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あも | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年8月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。