wt短編集【ワールドトリガー】 (ページ10)

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お友達のマリオちゃんはよくこんな
騒がしい中で勉強ができるなと思う。

｢俺が見た大ニュース聞いてや｣
主にうるさいのはこいつ。
生駒達人。

｢なぁーなぁー｣

｢ゲームばっかしてないでAちゃんも
俺の話聞いてや｣
私の肩を肩たたきしながら言ってくる。

あー!うっざい!
『やっと海と孝二に勝てそうだから無理!』

もう!こう言ってんのに!
｢そんなこと言わんでさー｣
ほら!まだうるさい!

『生駒ちょっと黙って!』
ちょっときつく言いすぎたかも。
その場のシーンとした雰囲気に耐えられなくて
『敏志ー、煎餅取ってくれるー?』
取り敢えず煎餅を取らせようとした。

｢あのなー、A｣
敏志がちょっと怒ってる様に見える。
別に生駒は悪くないのにきつく言い過ぎた挙句、
それを謝らずにはぐらかそうとした。
私が悪い。

『うん、生駒、』

謝ろうとした時、
｢イコさんだけ苗字呼びやからイコさん
ショックで寝込んでまってるやん｣
と私の声を遮るように発した。

うん

え

は?

そっち?

『別に生駒だけ苗字呼びって訳じゃないし』

『特に理由なんてないし』
私が親しい人の中で苗字呼びの人って
生駒だけかもしれない。

皆関西のノリになっちゃって、
｢じゃあ今日から達人って呼びやー｣
とか
｢理由ないなら呼べるよなー｣
とかとか

聞こえてきて。
当の生駒は寝込んだフリして話に参加して
来ないし。

｢3、2、1、はいぞうぞ!｣
下手な振りを海がする。

『達人さっきはごめんね!』
勢いで言ってやった。

達人の顔は真っ赤。
多分私の顔も。
『個人戦行ってくる!』
何だか恥ずかしくなってその場を直ぐに離れた。

…

生駒の名前を呼んだだけなのにこんなに心臓が
大きく跳ね上がるのが不思議でしょうがない。

(続く)