真実とは ページ5
異空間？中間地点？魂の不都合？？
色々な言葉が私の脳内をグルグルまわる。
それらは頭の中で弾けて、跡形もなく消え去っていった。
「意味がわからない、とでも言いたそうだね？」
優しそうな彼は、座っている私に目線を合わせながらそう言った。その声音はとても柔らかくて、とても安心した。
それでも私に、怒りに似た混乱があるのは変わらない。
「そうやって見透かしたふりしてなだめようとなんかしないでください。そんな、中間地点とか、天国だとか、非科学的すぎます。……もう一度問います。ここは、どこですか？」
先ほどとは違い、冷たく、鋭い声で突き放す。
その態度が意外だったのか、男は目を見開き私の顔を凝視する。
優しく寄り添えば素直になるとでも思っていたのだろうか。
馬鹿馬鹿しい。
私は、蔑んだ目で彼の回答を待つ。
言い訳するか、本当のことを話すか……
どちらにせよ、誘拐犯で警察行きなのは決定だ。
たが、帰ってきた返事は予期せぬものだった。
「ぶっ！がはははははっ‼︎‼︎‼︎ww」
突然、顔殴り男が豪快に笑ったのである。
「幸、お前のっw殺人的笑顔と声、ぜんぜん効いてねぇなぁ⁉︎ww」
『幸(こう)』それが優男の名前なのだろうか。
とりあえず、爆笑しながら話すのはやめて欲しい。唾がとぶ。
「おっかしいなぁー？人間のはずなら誰でも効くんだけど・・・」
「こいつ人間じゃないんじゃない？ほら、理解能力が人間にしては低すぎるし」
さらっと嫌味を言ってきた最低男を睨みつけながら、私は質問の答えを急かす。
「ちよっと、私の質問に答えてっ！」
最低男は一度目を閉じ、ゆっくり目を開けながら言った。
「お前は、自分の目に見えることや感じることしか信じられないんだ？」
その瞬間、体に電撃が走ったようだった。
私の目と彼の目がふたたび絡み合う。
けれど、それはさっきの甘ったるいものではなく、とてもトゲトゲしいものだ。
一呼吸おいて、私は口を動かす。
「あたりまえでしょ。」
オブラートになんかいっさい包まない、素直な本音だった。
ただ、その言葉を口にした時、少しだけ鼻の奥がツンとした。・・・本当に、少しだけ。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←異空間
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮牙(プロフ) - 白虎さん» ｳﾜｱｧｧありがとうございます｡ﾟ( ﾟ´д`ﾟ )ﾟ｡ コメント、すっごく嬉しいです！更新、頑張らせていただきます！！ (2014年11月30日 17時) (
レス) id: ee262b519e (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 面白そうですね、更新頑張って下さい！ (2014年11月30日 17時) (レス) id: 6ab0f6639c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
