【おそ松さん】一松君なりの愛情表現

おでん行こう ページ28

『よし、じゃあ行っ‥‥‥、きゃ』






一松君から顔を反らし

進む道の方へクルリと身体を回転させれば



そのはずみで通りがかりの人にぶつかる。





身体がそのまま地面に直行するところで









がしっ、と

効果音がつくように力強く




私の腕を引っ張りあげられた









「究極の馬鹿だな。世話が焼ける」



『わ、あ、ありがと‥』









見かけによらず男らしく

掴まれた腕は力強いが、優しくて。


私に痛みが与えられない程度に加減されている









そんな彼に少しだけ胸が跳ねたが




そんな現実を何処かへ飛ばしてやろうと
ブンブンと頭を振った









買い物を終えて、約束通りタバコを買って渡してやれば



ん、と満足そうに受け取った









「‥‥‥お前どうせ今日暇だろ」



『暇じゃねーです。私には家事という仕事があるんで』








「‥‥‥じゃ、いい。
おでんはまた今度」


『っ、え！今日連れてってくれるの！？
っ行く！行きます！』









半ば強引に一松君に詰め寄ると



「家事はどうしたんだよ」と思いっきり私から目を反らす



だが、いつもより嬉しそうな表情









『家事は後回し。おでんが優先です！』





自分でも理不尽だと自己認識は済ませているが
お構い無し。









馬鹿だなホント。と少し笑った一松君は





私の服の裾を小さく引っ張って

道を歩き始めた

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