6話 ページ6
貴女side
2日後、荷物をまとめ終わり、段ボールが並んで殺風景になっているこの家と今日でさよならしてしまわなければならないことを物語っていた。
寂しいな、なんて思いながら食べたくもない夕御飯を口の中に入れる。
3分の1ほど食べて、後は残した。
疲れていたけれど寝るとすぐ明日になってしまうので、まだ起きていようと思った。
明日は相川さんの家に行く日。親戚といっても私は元々人見知りだったから、喋ったこともない。
知らない人といっても過言ではないのだ。
しかも事件の犯人は男の人だったので尚更。
『怖いなぁ』
なんて。
あ、あとカウンセリングもあるんだっけ。
病院にも行かなくちゃなのか。
坂田さん、だっけ。
あと人と。
ちゃんと喋れるのかな、きっと喋れない。
そもそも相川さんの車に乗るのだって怖いから。
喋らなくても、同じ空間にいるだけで。
喋るなんて難易度が高い。
はぁ、なんてため息が出てしまう。
もうこれ以上明日のことを考えるとさらに暗くなってしまうからもうお風呂に入って、寝てしまった方がいいなかなぁ。
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作者名:風-ふう- | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月7日 9時