オレンジといちごとさくらんぼ【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ9)

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「４切れでたりないのか？なんて意地汚いんだ」

「…またですかミスタ」

驚く花京院に対してフーゴは呆れ顔だ。

「『4つ』のものから、ひとつ選ぶのは、縁ギが悪いんだ！
5つのものから選ぶのは『いい』！3つのものから選ぶのも『いい』！
だが4つのものから選ぶと必ず良くないことが起こるんだ」

「花京院も気をつけろよ。ミスタにケーキを進めたのはお前なんだからな」

アバッキオがミスタには聞こえないようにそっと言う。

「ああっ、それはまずい」

花京院は慌ててピアスを取り始めた。

「…どうしたんだよ花京院」

「だって僕のピアス、チェリーが4個でしょう？」

アバッキオは慌てた。

アバッキオはファッションなどへのこだわりが人一倍強い。

もっともただでさえ大柄で鋭い目つきをしているのに濃いアイメイクをし、

紫色の口紅を塗っているアバッキオは人から見れば言葉通り泣く子も黙る姿なのだが。

「馬鹿か、俺はお前のファッションにまで口を出すつもりもねえし、
ミスタだってそこまで見てねえよ」

しかし、アバッキオは自分が気にしているように花京院も花京院なりに

ファッションに気を使っていることは知っていた。

他人のセンスに口出しをしない、それはチームの中の無言の約束であった。

「そうですか？ミスタが4が嫌いなら避けるのが仲間ってもんです」

花京院はキョトンとした。

アバッキオはその表情の純粋さに心底驚いた。

「ただミスタが4番目にならないように気を遣えって言いたいだけでな」

しどろもどろになって視線をそらす。

アバッキオが視線をそらした先にいたナランチャは

フーゴとミスタの言いあいをあまり面白くなさそうに見ていたが、

前に置かれた白紙の計算問題をふと見やり、表情をさらにこわばらせた。

「ろくご30がわかってもこんなの分かんねえよ…」