触れられたくない愛/FK

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【T】
　
　高身長からミツを引き剥がしたとき、ミツの目はどこを見ているのかわからなかった。
　
　うわ言のように「ごめん」を繰り返すミツ。
　
　とりあえず場所移動しなきゃと、俺はミツの手を引いて会社の中に戻って休憩室に直行した。
　
　「..ごめん、っ、ごめん、ほんと、」
　
　「謝らないで、ミツ。ミツ何も悪いことしてないでしょ」
　
　頑張って呼吸をしながら、必死に首を横に振るミツ。
　
　「..気持ち悪いって思ったでしょ、っ、俺、おとこ」
　
　「思ってないから。思ってないよ、そんなこと」
　
　ゆっくり、ゆーっくり、背中を擦ってあげる。
　ほら、だんだん落ち着いてきた。
　
　「前からああいうことあった？」
　
　俺がそう聞くと、また頑張って首を横に振るミツ。
　
　「そっか、よかった。」
　
　俺がそうやって頭を撫でると、少しだけ気持ちよさそうに目を閉じた。
　あーあーあーだめでしょ、そういうのは好きな人の前でやらなきゃ。
　
　「何があったか、聞かないの？」
　
　目を閉じたまま、そう聞くミツ。
　
　「聞かないよ、俺、過去のミツとは友達でも同僚でもないし」
　
　聞いてどーすんの、って笑いながらそう伝えると、
　
　「確かに。....ありがとう」
　
　って、やっと俺の目を見て笑った。
　

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