アトリエに残された桜 (ページ15)

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「相葉さん、また変なの作ろうとしてるの？」

「変なのとはしつれいな！ちゃんと注文入ってるから！！」

「注文って…翔くん？」

「ううん、翔くんの友達」

「えっ、友達！？」

相葉くんと何やら会話していたもう1人のイケメンが急に驚いたように厨房から出てきた。そしてこちらを見てすぐにまた厨房へ引っ込んでしまった。なんだったんだろう？

「本当だ！珍しい…」

「なんかー、昨日会ったらしいよ。海で」

「海で！？そ、そう……」

「ほらほら、手ェ動かして」

「な、相葉さんに言われると……」

引っ込んだ先をまた覗いてみると、やっぱりそこにはさっき厨房から出てきたイケメンがいて、そのイケメンについて翔くんが説明してくれた。

「そうそう、今出てきてすぐ引っ込んだのが今話したストッパー役で松本潤って言う人だよ」

『へえ、イケメンだね』

「だよねえ、松潤目当てで来る人もいるらしいから」

確かに。こんなイケメンが自分のためにあの中華鍋を振るってくれるなら毎日でも通いたくなる。俺の分も作ってくれないだろうか。

『ん？ストッパーってどういう事？』

「あぁ単純に相葉くんの作った料理を店で出すかどうか判断してるって事。だからまともを保ててるんだよ」

『まともを保ててるって相葉くん1人だと、まともじゃなくなるって事？笑』

「いやまあ、そんなこともないと思うけど笑」

なんて、相葉くんの話をしていれば、それぞれの料理を持った相葉くんが厨房から出てきた。

「ん？なになに？俺の話？」

「ふふふ、相葉くんの料理の話」

「ぅえ？料理？」

『料理が発想力抜群だって』

「ああ！そういうこと？すごいでしょ？」

「いや、相葉さん。それ褒められてないんじゃないの？」

「え？そうなの？」

厨房にいたイケメンこと、松本潤くんが料理を運ぶ途中でこちらに寄ってそう言い残していった。か、カッコいい…。

なんて見惚れて松本潤くんの仕事の様子を眺めていると、料理を運び終わった彼がこちらに向かってやってきた。なんか、顔濃い…

「翔くんの友達ですか！？」

『え？そうだけど…』

「海で知り合ったって！？」

『え？う、うん…』

「もー松潤、おーちゃんが引いてるよ！！」

『いや、引いてはないけど』

「松潤の顔が濃いからだよおー」

「ご、ごめん…って顔が濃いは余計」

ごつんと相葉くんの頭を小突いた。