ＰＭ １２：００ 〔 Ｈ×Ｈ 〕 ...Quwrof...

…礼儀正しい男… ページ22

「折角玄関にバリゲードしたのに、どうしてくれるんだ」


「外から見たらただ壊れた扉にしか見えなかったからねェ♧」


「…まあいい、用件を話すから来い」


「オーケー♢」



別荘の持ち主がそこそこ金持ちらしくソファーが４つもあったが狭くはなかった。

ヒソカは勧めずとも勝手に座り、ニヤニヤとAを見るので何となく腹が立つ。



「A、こいつがヒソカだ。 ヒソカ、Aをいやらしい目で見るな」


「ふぅん、Aね。 宜しく♡」


『あ…は、初めまして』



以外にもヒソカという男が礼儀正しくてAの方が挨拶が遅れた。

クロロから聞いた感じ、雑でゴツくて男好きな姿を想像していたから。



「何かココはお菓子屋みたいな匂いがするねェ♧」


「A、ヒソカに飲み物を出してやってくれるか？」


『うん…』



吸念と与念、それがAの念能力。

故に他の念能力者よりオーラに敏感。

だから分かった、ヒソカは強い、と。


オーラ量が半端ない。
練(レン)をしなくともイルミに並ぶ強さをひしひしと感じた。


マグカップに作りたての飲み物を注ぎ、クロロにはグラスに普通の水を注いで運ぶ。

クロロ、イルミ、そして今日出会ったヒソカの不思議な関係を頭で整理しながら…。



『お待たせしました、どうぞ』


「…初めて見る飲み物だけど…コレ何？」


「Aが作った、遠慮なく飲め、一気に」



クロロは口を湿らせる程度に水を含み、早く飲めと目で強く訴える。

Aはヒソカと同じもので、普通にコクリと飲んだので毒では無さそうだと思うヒソカ。

だがそれを飲んだ瞬間、顔を床に向け口を手で覆う辺り相当ヤバいものが出来たらしい。



「(効いてる効いてる)」



ほくそ笑むクロロ、それがどんな味かヒソカを見れば一目瞭然。



「ねェ…コレ…ホントに…何…」


「さあな、どうだA、美味いか？」


『さっきのより美味しく出来ちゃって驚き』


あの(・・)ヒソカが悶絶顔なのだ、クロロにしたら愉快極まりない。



『苦手でした？』


「そんな筈ない、だよな、ヒソカ」


「…」



有無を言わせぬクロロの物言いと目付きにヒソカはムッとする。
が、クロロとのデート(バトル)をしたいが為に「まぁ…ね」と曖昧な返事をするのみ。





「さて本題に入ろう」





切り出し始めたクロロは幻影旅団団長である瞳を持つ顔。

念は使えずとも、そのカリスマ性は失われていなかった。


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