…その手の中で… ページ17
『クロロ？ 難しい顔してるよ？』
沈黙しきったクロロに不安になったのかAが尋ねる。
「なあ、Aはどんな念能力を身につけた？」
『教えないよー。 念能力を明かすな、定石だ、って言ったのクロロだよ』
昔、確かにそう言った。
旅団の中でも互いに明かしていない念能力はある。
いつ、誰が反乱を起こすか分からないし、最悪操作され情報が漏れるのを防ぐ為に。
『それにね、念の修行は結構前に辞めちゃったの』
「どうして」
『イルミにも言ったんだけど、念能力なんて私には必要ないと思ったから』
なら、なおさら不思議だ。
念能力は修行して強化せねばちょっと一般人より不思議な力が使える、そんな程度。
念の修行も、念の必要性も感じていないのに何故イルミはAを必要とするのか。
ゾルディック家の執事見習いでさえプロハンター１００人を瞬殺出来る実力者揃い。
Aを必要とする見当が全く思いつかずクロロの顔が更に険しくなってしまう。
『クーローロー！ 今は考え事しないで体をしっかり休めるのを優先してってば！』
「…そうだな」
そんな気などちっともない癖に。
Aの困った顔を見たくなくて、Aが安心できる返事を返す。
「ただイルミの件に関しては考え直しておけ」
『もう…クロロはいつからそんなに我儘になったの？』
他人の心も人生も運命も、全て貴方が決める事なの？
昨日Aにそう言われたばかりなのに。
どうしてもAに関わっていたいと思ってしまう。
今迄放っておいて、顔を見ても思い出せなかったのに。
昔の記憶のAと、今のA、どちらもクロロにとっては大切な存在。
人を殺める事などさせたくない、クロロも団員も同じ気持ちで置いていった。
Aが大切だからこその選択と決断だった。
流星街を去る前夜、眠っている幼いAに皆が優しいハグをした。
言葉は無くともそれぞれ身を切る様な、断腸の想いでAと別れたのだ。
「病人の我儘を聞いてもバチは当たらないと思うが？」
『バチが当たらなくてもイルミの針が飛んできて当たりそう』
「……有り得るな」
クロロは無力な自分を情けなく思う。
早々に除念せねばという思いと
除念せずAと居たいという思い
除念を済ませればAとの接触は叶わない。
イルミかAのどちらかを説き伏せるべきか。
様々なパターンを考えつつ
クロロはAの手を離せずに居た。
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みお(プロフ) - あー…ほんとに主様の作品大好きです…。今日一気読みしてもうほんとに好きです(？) (2022年10月2日 23時) (
レス) @page48 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
和花 - 絵めっちゃうまいし、とても面白いです！他の話も読みました！ゆーじさんが描く話、とても大好きです！ (2022年2月9日 14時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - メッセージありがとう〜！もう週明けになっていたとは…時間の流れが早過ぎて驚いた。遅くなってしまって本当に申し訳ないです！スミマセン…!! (2019年2月25日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - テスト前故しばらく浮上してませんでした...。気づいてなくてすみません(汗)桜の方、ちょっと覗いてみてください。更新はまだ先になります。次の更新も、楽しみにしててください！絶対ですよ！ (2019年2月22日 21時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - kayaさん» こんな自分がkaya様を何と呼べばいいのか…!!!?か…かや…kayaさん!!もー本当にイイ子だー…ちゃんと躾されていい友達にも恵まれて素晴らしい人生歩んでいそう。勿論辛い事もあると思うけれどそれでkayaさんの才能を潰さないようにね。kayaさんの夢、叶う事願ってるよ。 (2019年2月20日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2018年11月4日 5時
