…クロロの後悔… ページ16
「A、手」
『手？ 手がなに？』
クロロが差し出した手を不思議そうに眺めるA。
「…いいから手を出せ」
クロロの手の平にAの手が重なる。
シャワーを浴びたのにひんやりした体温。
Aは子供の頃から足りない栄養で寒がり。
だから皆がAを囲む様に寝る工夫もした。
「相変わらず冷たい手だな」
『そう？ でも温かくって気持ちいい』
Aは昔、こうやってクロロと手を合わせて遊んでいた事を忘れていた。
少々残念にも思うが自分なんてAを見てもAだと分からなかった。
Aを責められる立場に無いし、イルミと取引したのはAの意志。
「Aは子供の頃の記憶はあるか」
『…まあ、そこそこ』
「よく泣かされてたな、皆に悪気は無かったが俺達は手加減を知らなかったからな」
『覚えてるよ、一番怖かったのはウボォーの高い高い。
次に怖かったのはノブナガのかくれんぼ、あれはヤバかったよー』
「ん？ ノブナガのかくれんぼ…それは覚えが無いな」
『普通かくれんぼって鬼が隠れた人を見つけてタッチしたら終わりじゃない？』
「だな」
『ノブナガその時、円の修行に夢中でついかくれんぼの事忘れちゃって。
私が隠れてた瓦礫を「そこだー!!」って言ってズバッっと…怖かったし死ぬかと思った…』
「思い出した、瓦礫の下敷きになって数分心肺停止した」
クロロはその時を思い出しプッと笑ってしまう。
『笑い事じゃないよね！？』
「それを言ったらフィンクスの方が酷い。 あいつは肩を回すだろ？
Aをどれだけ長い時間回してたかは分からないが…三半規管やられて３日フラフラしていた」
『ん〜…？ それは覚えてないなあ』
「多分途中で失神してたからだろう」
『フィンクスは私の状態に気付いてなかったの！？』
「ああ、飯を食いながらずっと回してたらしい」
『生きてるのが奇跡だね…私ってば凄い』
当時を思い出しくすくす笑うA。
恨み事のひとつでも言ってくれればいいのに。
何故置いていったかと罵ってくれればいいのに。
仕掛けた罠に自分が嵌って後悔するなんて間抜けだ。
『あの頃が一番楽しかった』
「……そうか」
何のしがらみも無ければAを団員に誘うかと言われると答えはＮＯだ。
しかし除念が終わればAはイルミの元へ行き、会う事は叶わなくなる。
Aの冷たい手が少しでも温まればとクロロは自分の体温を分け与えた。
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みお(プロフ) - あー…ほんとに主様の作品大好きです…。今日一気読みしてもうほんとに好きです(？) (2022年10月2日 23時) (
レス) @page48 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
和花 - 絵めっちゃうまいし、とても面白いです！他の話も読みました！ゆーじさんが描く話、とても大好きです！ (2022年2月9日 14時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - メッセージありがとう〜！もう週明けになっていたとは…時間の流れが早過ぎて驚いた。遅くなってしまって本当に申し訳ないです！スミマセン…!! (2019年2月25日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - テスト前故しばらく浮上してませんでした...。気づいてなくてすみません(汗)桜の方、ちょっと覗いてみてください。更新はまだ先になります。次の更新も、楽しみにしててください！絶対ですよ！ (2019年2月22日 21時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - kayaさん» こんな自分がkaya様を何と呼べばいいのか…!!!?か…かや…kayaさん!!もー本当にイイ子だー…ちゃんと躾されていい友達にも恵まれて素晴らしい人生歩んでいそう。勿論辛い事もあると思うけれどそれでkayaさんの才能を潰さないようにね。kayaさんの夢、叶う事願ってるよ。 (2019年2月20日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2018年11月4日 5時
