ＰＭ １２：００ 〔 Ｈ×Ｈ 〕 ...Quwrof...

…問題、大問題… ページ14

Aはシャワーを浴びながら鼻歌を唄っている。

その音を聞きながらインスタントコーヒーを作る。


食欲は無いが胃に何か入れておかねばAがむくれると思ったからだ。

２人分用意して小さなテーブルに食べたフリをしたミカンの缶詰めを置くのも忘れない。



『クロロー出たよー。 あ、ちゃんと食べたんだね』


「ああ」



ほら騙された。

子供の頃のまま大人になった様なAについ喉から笑い声が漏れてしまいそうになる。

変わったのは見た目だ、面影が残っているのは瞳だけで随分と可愛いらしくなっていた。



『うぐっ…珈琲の匂いが…!!』


「苦手なのか」


『…何かね…酔いそうになるの』



ごめんね、とクロロに謝り申し訳なさそうな顔をするA。

だが折角淹れてくれたのだから、と鍋に珈琲を入れ火にかける。


どうするのかと思ったら床下収納を漁りホワイトチョコレートを手にしていた。

丸ごと一枚それを鍋に入れて「珈琲ではない何か」に変化させようとしている。



「お子様だな」


『何か問題でも！？』



甘ったるい香りがキッチンに充満する。

それでも物足りないのかマシュマロやキャラメル、蜂蜜まで投入して顔が引攣るクロロ。



「…そこまでするなら紅茶にでも変えた方が早いんじゃないか？」


『クロロとの合作！ よし、出来たー！』



それは合作とは云わない。

そもそも自分はそんな何か分からないものを作りはしない。



『一緒に飲もう』


「…俺は珈琲でいい」


『えー、美味しいかもしれないよ？』



味見無しで勧めるのかと更にAの食への関心度にクロロは警戒心を強める。

やっと落ち着いて席に着きそれぞれの飲み物を口にする。

無表情で謎の飲み物を飲み込むAに恐怖しかない。



「…美味い…のか？」


『ヤバい。 目茶苦茶美味しいけど二度と作れる気がしない』



適当に菓子類を全部投入したのだから恐らく不可能。

興味に負け味見程度にそれを飲んだクロロの顔が青ざめる。



「…」


『美味しいよね！？ 私天才かも！？』



吐かなかっただけ褒めて欲しいと思うクロロ。

全ての甘味が喧嘩しているドロドロの「何か」。



『フルーツポンチの汁も入れてみて大量生産しよう！』


「…頼む…頼むから止めてくれ……」






世間には色々な人間がいる。

戦闘に不向きな人間はいる。

商売に不向きな人間もいる。






Aは絶対に(・・・)料理をしてはいけない人間認定するクロロだった。


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…流星街出身者…→←…純粋ゆえ馬鹿…

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