…風吹き荒る心… ページ25
ヒソカが来てから各自行動はバラバラになった。
クロロはソファーに体を預けて体力回復に専念。
ヒソカはクロロとAのどちらかを見てはニヤニヤ。
一番行動が変化したのはA。
馬を見て来ると庭に出て
馬は柵もない庭に放してあるのに逃げもせずAに随分懐いているのが判る。
「ねェ、何でアノ子を蜘蛛に入れなかったんだい♢」
「お前には関係ない」
「そんなにピリピリする事ないじゃないか、体調はまだ万全じゃないんデショ♤」
「……」
オーラ量が少ないのだろう。
クロロは念が使えないので自身のオーラすら見る事はままならない。
ヒソカに指摘され、点滴を外した意味は無かったなと自虐的に笑う。
「あれからずっと岩石地帯を歩き詰めだった、だから疲れてる、放っておけ」
「ん？ アノ子はまぁ普通そうだけど…じゃあ最近会ったってコト？」
「昨日だ。 ヒソカ、少しは黙ってられないのか」
「…♡」
風邪なんて嘘つきやがって、と毒づく。
そんな事でへこたれるヒソカではないが。
「夕飯どうするの♧ こんな所じゃデリバリーも無いねェ…まさかアノ子が作るの…♤？」
「……危険だな、よしヒソカ、ダッシュで何か買ってこい」
「えー…っていうか今日はどうしてたワケ♧？」
「俺は点滴、Aは…」
ヒソカにいわれてみると昨日から変な…もとい、糖度の高いドリンクしか口にしていない。
団員の女性陣は食欲旺盛で２人前は食べるが普通の女性はそんなものなのかと思ったが…。
「何も食べてないとか？」
「そのまさかだ。 キッチンの床下に保存食はあるが食べてはいないな」
「あの酷い流動食みたいなのだけ？」
さすがのヒソカも眉を潜める。
「カロリーは足りてるだろうケド、食事させなきゃ可哀相じゃないか♢」
「別に俺が食うなと言った訳じゃ無い」
「気を遣えない男は愛想尽かされるよ♡」
何やら余裕の笑みでキッチンへと向かうヒソカ。
ガタガタ音がする辺り、保存食を物色してるのだろう。
くしゅんっ。
小さなくしゃみが聞こえて窓を見ればAは庭に座っていた。
青鹿毛の馬が鼻だか唇だかでAの髪をもしゃもしゃにして遊んでいる。
「寒がりの癖に…」
一人と一頭。
その姿はあまりに自然に馴染み切っていて、クロロはAの孤独を見た気がした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みお(プロフ) - あー…ほんとに主様の作品大好きです…。今日一気読みしてもうほんとに好きです(？) (2022年10月2日 23時) (
レス) @page48 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
和花 - 絵めっちゃうまいし、とても面白いです！他の話も読みました！ゆーじさんが描く話、とても大好きです！ (2022年2月9日 14時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - メッセージありがとう〜！もう週明けになっていたとは…時間の流れが早過ぎて驚いた。遅くなってしまって本当に申し訳ないです！スミマセン…!! (2019年2月25日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - テスト前故しばらく浮上してませんでした...。気づいてなくてすみません(汗)桜の方、ちょっと覗いてみてください。更新はまだ先になります。次の更新も、楽しみにしててください！絶対ですよ！ (2019年2月22日 21時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - kayaさん» こんな自分がkaya様を何と呼べばいいのか…!!!?か…かや…kayaさん!!もー本当にイイ子だー…ちゃんと躾されていい友達にも恵まれて素晴らしい人生歩んでいそう。勿論辛い事もあると思うけれどそれでkayaさんの才能を潰さないようにね。kayaさんの夢、叶う事願ってるよ。 (2019年2月20日 1時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーじ | 作成日時：2018年11月4日 5時
