5：とある日〜カルトSIDE〜 ページ7
今日もお姉さまは可憐だ。
ナイフを見事に振り裁き、美しく舞う。
お父様の腕には微かだが掠り傷。 お父様の強靭な肌に傷をつけるだけすごいこと。
お姉さまは空中で回し蹴りをお父様に決めた後、ふう、と一息ついた。
「わぁっ、やっぱりお父様すごい！」
手を後ろで組んで、フフッと笑うお姉さま。
……ああ、なんて美しいんだろう。
「貴男！！ Aちゃんに絶対手を上げないでね！！！！ そういう約束でお稽古つけさせたんだから」
お母様はお父様に怒気を飛ばす。
いつものことながら母のヒステリックさはヤバイ。
ほら、お姉さまだって困ったように笑ってるじゃん。
……僕なら、お姉さま困らせないのに。
「お姉さま、お疲れ様です」
ローブを脱ぎながらこちらに歩み寄るお姉さまに僕はタオルを渡す。
ありがとう。 そう微笑み、快く受け取るお姉さまはまさに天使だ。
「お父様さすがだよね！ やっぱりぼくのナイフじゃ当然当てられないかな〜」
敵わない。 そう笑いながら言うお姉さまの表情は少し楽しそうだった。
「そんなことないです、お姉さま。 お姉さまならきっと優れた剣士になれますよ」
僕の言葉に、にぱーっという効果音が付きそうなほど笑うお姉さま。
ああ、天使だ、女神だ……！！
……でも、できるだけお姉さまには外に出て行ってほしくない。
もちろん、闇業界の“仕事”も、してほしくない。
御覧の通りナイフ裁きは優れているお姉さまだが、腕力なんかは全然ないと思う。
生まれてからずっと側に居続けているけど、重いものと言ったら刀ぐらいしか持っているのを見たことがない。
それに何よりあの細い体だ。
全体的に細い。
家族でもご飯をそんなに食べる方じゃないからいつか倒れてしまうのではないかと心配だ。
……それにあの可憐さ。
あれで人を殺してる、なんて言ったらちょっと魅力的だけど、いうなれば、そう、極力外部との接触は避けたいのだ。
あれだけ容姿端麗ならば少なからず声をかけてくる輩もいるだろう。
…そうしたらゾルディックの者が始末しに行くだけだけど。
念のためとしての対策でイルミ兄さんがお姉さまに男らしくふるまうよういいつけたのだが、それでも変わらずやはりかわいい。
見た目の可愛さはどうにもならない。
……中身は、紳士的だから相手を騙せるっぽいけど。
それでもやっぱり心配だ。
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RT - とても面白いです！続編頑張ってください！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 続編が出るのを心からお待ちしております！ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
シベリアンハスキー(プロフ) - 凄く続きが気になります！！更新お願いします！頑張ってください！！ (2017年10月29日 3時) (レス) id: a9a6ccf11e (このIDを非表示/違反報告)
お凛 - すごく面白い！続きがとても楽しみです！更新頑張ってください^ ^ (2017年9月7日 13時) (レス) id: 86a1ba0e04 (このIDを非表示/違反報告)
カクテル - 更新早くお願いします！（＾∇＾） (2017年8月16日 16時) (レス) id: 1f958aadd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月25日 2時
